「ウエスタン、阪神７－４中日」（２３日、甲子園球場）

　プロの舞台で、高校時代の雪辱を果たした。阪神のドラフト５位・戸井（天理）が“宿敵”から甲子園初本塁打となるプロ２号を放った。

　「高校の時の徳島の招待試合で完璧に抑えられていて、高校時代に打てなかった相手だったのでしっかり打てて良かったです」

　同点で迎えた四回、ルーキー森山の１４１キロ、内角直球を一振り。左中間スタンドに突き刺す一時勝ち越しのソロとなった。「真っすぐをしっかり強く振ることを意識して、甘いところにきたので捉えられた。若干差し込まれたんですけど、しっかり押し込めた」

　同学年の左腕とは高校３年時、阿南光との招待試合で対戦。無安打に抑えられていた。「いい当たりもなくて悔しかったので。プロで対戦できて良かった」。その思いをバットに込め、リベンジを果たした。

　高校時代は春に２度、夏に１度甲子園に出場したが一発は出ず。それだけに「やっぱり甲子園で打つホームランはうれしかった」と喜びもひとしおだ。

　七回にはフルカウントから再び左腕の直球を捉え中前へ。追い込まれてからの対応に取り組んでいる中での一打に「大きかった」とうなずいた。

　この日は「７番・遊撃」で先発出場。プロ入り後初めて甲子園で守備にも就いた。「結構守りやすい。ホームグラウンドなので、しっかり１軍でプレーできるように頑張りたい」。プロでも聖地で躍動する。