【藤田平氏の眼】阪神・村上は観察力があり非常に頭がいい投手
「中日0-2阪神」(22日、バンテリンドーム)
阪神は村上頌樹投手(24)の完封勝利で連敗を止めた。前回登板の7回パーフェクト投球に続き、この日も五回1死まで完全投球を継続。10奪三振でうれしいプロ初白星を手にした右腕について、デイリースポーツ評論家・藤田平氏(75)は「観察力があって非常に頭がいい投手」と評価した。
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村上が完封でプロ初勝利を挙げた。坂本のリードが光っていたこともあるが、観察力があって非常に頭がいい投手だと感じた。
相手打者のリズムを頭に入れて、呼吸も感じながら投げていた。足を上げて打つアルモンテには緩いカーブでタイミングを外したり、打者によってクイックを使い分けたりしていた。ある球種を投じた後は、前の球と同じコースからフォークを落とすなど打者のリズムを崩していた。
余裕を感じさせる投球ができる理由は、抜群の制球力があるからだ。簡単にストライクを取りにいっている感じはなくても七回を終えて71球。105球で9回を投げ終えた。どの球種でも、いつでもストライクを取れる制球力は素晴らしい。
かつて阪神に通算134勝を挙げた渡辺省三さんという投手がいた。1957年9月26日の広島戦で9回を70球で完投(延長戦も投げたため最少投球数の参考記録)。打者を観察し、制球力で勝負した渡辺さんのような投球のうまさを感じた。
村上は剛速球やすごい変化球を投げるわけではない。打者からすれば「打てそうな投手」に見える。それでも2安打で10奪三振。投手にとって、制球力が重要であることを再確認させる投球だった。
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