【岡義朗氏の眼】得点を狙いつつ相手へ警戒心を植え付ける岡田監督の采配

 「広島3-0阪神」(6日、マツダスタジアム)

 阪神は六回途中降雨コールドで広島に敗れ、開幕からの連勝が4で止まった。今季初黒星となったが、デイリースポーツ評論家・岡義朗氏(69)は、今後の戦いを見据え「警戒を高めさせる“エサまき”」となる采配が垣間見えたと指摘した。

  ◇  ◇

 雨天コールドで黒星となったが、天候には逆らえないし、7日の試合にも備えやすいという意味でも切り替えやすい敗戦だろう。

 先発の西純は四回、先頭の西川に粘られた挙げ句、中前打されたことで少し平静を欠いたか、不用意、とまでは言えないにせよ、続くデビッドソンに初球、甘く入ったスライダーを2ラン。これはもったいない失点だ。

 ただ、初回の森下、小幡などバックは非常にいい守備をすることでチームバランスの良さを生み、雰囲気をつくっていけた。

 天候を見ながらというところでは、早めに追いつく必要があり、二回には2度のエンドラン、三回には送りバントと1点を取りに行く戦法も、チャンスで一本が出なかった。これは仕方ないだろう。

 それよりも二回無死一塁、打者・梅野のエンドランはカウント1-2と不利なところで1回目。ファウルなどを挟んで2-2から2回目。三ゴロだったが、進塁打となった。

 これは当然、得点機を広げる効果もあったのだが、こうしたカウントと相手配球を読み切った上での仕掛けは、相手の広島にも、球場に来ている他球団のスコアラーにも今後へ向け警戒を高めさせる“エサまき”も兼ねていたのではないか。岡田野球が垣間見えたように感じる場面だった。

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