阪神ドラ6富田 プロ初登板初星 侍・大谷に被弾の“持ってる男” 今度は12球団新人一番乗り

 プロ初勝利を挙げ岡田監督(左)に祝福される富田(撮影・山口登) 
 12回、宮崎を三振に仕留め、雄たけびを上げる富田(撮影・高部洋祐)
 12回、富田は宮崎を見逃し三振に打ち取りガッツポーズ(撮影・山口登)
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 「阪神6-5DeNA」(1日、京セラドーム大阪)

 バシッ!グラブを2度たたき、ほえた。大歓声とともに決めた力強いガッツポーズ。しびれる対戦を終えた直後に、歓喜のウオーターシャワーが待っていた。阪神ドラフト6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=がプロ初登板にして初勝利だ。

 「まさか自分まで回ってくると思ってなかった。行くしかない状態だったので、あとは楽しもうと思ってマウンドに上がりました」

 投手7人でつなぎ、出番が巡ってきた。場内の緊張感が最高潮に達した5-5の延長十二回。先頭・関根を高め直球で中飛に仕留めると、続く戸柱も左飛に打ち取った。1番・佐野には中前打を浴びてタイトルホルダーの貫禄を見せつけられたが、ここからが強心臓ルーキーの見せ場だ。

 「安藤コーチから『低めに集めて、あとは任した』と言われたので、強気の投球を心がけました」。続く宮崎をカウント1-2と追い込み、投じた4球目。外角低めに構えた坂本のミットに吸い込まれた直球に、バットはピクリとも動かない。プロ初奪三振で、劇的勝利の機運を高めた。

 “持ってる男”だ。3月6日の日本代表戦。2番手で登板した左腕はヌートバー、大谷、吉田正のメジャー組3人と対戦した。2死から四球を出して対戦機会が訪れた大谷には、バットを折りながらも被弾。それでも、「わざとフォアボール出すとか器用なことできないですからね」と笑ってみせる。どの新人投手にもできない貴重な対戦。悔しい経験ですら、持っている。

 この日も「湯浅さんとか周りから『おまえは持ってるから』と言われた」とニヤリ。今季の12球団新人で白星一番乗りと強運を発揮した。お立ち台では初々しい笑顔を浮かべた21歳。記念球は家族に贈る予定だ。「どういった試合でも任された仕事はしっかりできるように」。さらに経験を積み、実力も“持ってる男”だと証明していく。

 ◆富田 蓮(とみだ・れん)2001年9月6日生まれ、21歳。岐阜県出身。174センチ、78キロ。左投げ左打ち。投手。大垣商、三菱自動車岡崎を経て22年度ドラフト6位で阪神入団。23年オープン戦は7試合で2勝、防御率0.96の好成績で開幕1軍をつかんだ。

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