【2軍】阪神・ドラ3井坪 プロ1号2ラン 驚異の打率6割 和田2軍監督「しっかりしている」
「ウエスタン、阪神12-13ソフトバンク」(21日、鳴尾浜球場)
バットを振り抜くと足を止め、白球の行方を眺めた。ゆっくりと歩き出す姿には風格さえ漂う。阪神ドラフト3位・井坪(関東第一)が、ウエスタン出場3試合目で放ったプロ1号。「完璧でした」。入団後初でもあった一発は、自身も納得の当たりだった。
八回、無死一塁。カウント1-1から高橋純の3球目、134キロスライダーを一振り。「ホームランは狙っていなかった」と言うが、見事に捉えた打球は左翼フェンスを越え、防球ネットに突き刺さる2ランとなった。
「しっかり初球から手を出して、高めの真っすぐに。真っすぐが速かったので、そこにタイミングをとってスライダーに合ったという感じですね」と反撃ののろしとなった一撃を振り返った。
九回には左越え二塁打を放ち2安打。ここまで出場したウエスタン3試合全て安打を放ち、10打数6安打で打率は驚異の6割を記録。和田2軍監督も「直球だけじゃなくて変化球の見極めも新人にしては非常にしっかりしてる。ここまではどんなピッチャーがきてもそれなりの対応をしてる」と新人離れした打撃センスにほれぼれだ。
一方で、本人は初アーチにも浮かれるそぶりはない。「この一年間は結果というよりも内容を重視しながらやっていきたい」。それでも記念球について問われると「家に送ります」とポーカーフェースを少し緩めながら、親孝行な一面ものぞかせた。