「練習試合、阪神１０－０サムスン」（１９日、宜野座村野球場）

　ベンチの岡田監督が激しく両手をたたく。遊撃レギュラーを狙う阪神・木浪聖也内野手が走攻守で大暴れだ。当初は本命とみられた小幡と一騎打ちを演じる中、開幕スタメンへ一歩前進した。

　「ベンチからタイミングを意識していたので、結果的にヒットになって良かった。内容とかいろいろあると思うんですけど、結果が一番の評価になるので、常に求められるようにやっていきたい」

　０－０の三回、１死から右中間を真っ二つに破ると、三塁まで激走。続く近本の適時打で先制のホームを踏んだ。五回は先頭で左前打。「途中代えようと思ったけど、あんだけ打ったら代えられへんようになってもうたわ（笑）」と岡田監督に言わしめた。

　８得点のビッグイニングの七回も先頭・木浪が起点だ。右翼線二塁打でサイクル安打に王手をかけ、打者一巡した４打席目は左翼線へ２打席連続の二塁打をマーク。終わってみれば、４打数４安打３得点でスタンドの視線をくぎ付けにした。

　バットだけでなく、「今は第一に考えている」という守備もメキメキと上達中だ。遊撃レギュラーは守備力重視と公言してきた指揮官も「バッティングの方は（力が）ついてきたら当然使わなあかんよなあ」と評価。遊撃争いで木浪がリードしていることを認めた。

　「連携はもちろん、守備位置の確認や打球をアウトにすることは第一なんですけど、その他のことも大事になる」と木浪。２年ぶり開幕スタメンへどん欲に結果を残していく。