阪神・岡田監督×井川慶氏対談2 森下は振れるのがええ 開幕スタメンあるよ

 デイリースポーツ評論家・井川氏(左)と対談する岡田監督(撮影・立川洋一郎)
 岡田監督(右)の話に耳を傾けるデイリースポーツ評論家・井川氏(撮影・立川洋一郎)
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 阪神・岡田彰布監督(65)と、阪神、オリックス、米大リーグ・ヤンキースでもプレーしたデイリースポーツ評論家の井川慶氏(43)の“師弟対談”が実現した。2005年のリーグ優勝時の監督とエースだった2人が、“井川2世”として挙げたのは4年目の西純矢投手(21)で、今季の飛躍に大きな期待を寄せた。また、入団時から井川氏を知る岡田監督との思い出話など、現状の手応え、今後のチーム作りなどについて、多岐にわたって花を咲かせた。

  ◇  ◇

 井川「前回就任時との違いは?」

 岡田「前の時はある程度完成されたチームというか、ベテランのピッチャーが多かったから、配置換えをしないといけなかった。今回はある程度先発組と、ブルペンでは抑えまではまだいかないかもしれないけど七、八、九(回)を任せるピッチャーとかは、きっちり分かれているから。そういう意味でも今回の方がやりやすいよな。やりがいというかそういう意味でもあるよな、完成されていないから。先発陣もまだまだ伸びしろあると思うよ、年齢的に見ても若いのが、西純や才木とかが順調に来ているので」

 井川「野手では森下君もいます」

 岡田「故障で出遅れたけど、あれだけ振れるというのがええよな。体もええ体をしてるからね」

 井川「いいサイズしてますよね」

 岡田「ユニホームを着たらものすごく大きく見えるよな。入団会見のスーツの時はそれほど大きくないなと思ったけど。思っていた以上かもしれんな、今の段階では。あれだけ振れると思ってなかったから」

 井川「最初(開幕)からいくかもしれないぐらいですか?」

 岡田「可能性はあるよ。どうしても打線の中で左が多いからな。外国人2人も右だし、その辺が入ってくれたらバランス的に良くなる。外国人にしても(今後)どんどん日本のピッチャーにあててね。ピッチャーの方は、なるべくセ・リーグ相手には隠すかも分からんけどな。バッターはなるべく経験を積ませた方がいいから。慣れの話で」

 井川「投手陣の構想は?」

 岡田「先発は候補は8人ぐらいいるよ。最低でもな。6人で1年間は回せないから」

 井川「後ろの枠組みはどうですか?」

 岡田「今の勢いというか力的には(抑えは)湯浅がいいかも分からんけど、WBCにいくからな。開幕からはちょっと後ろはまだきついかも分からんな。開幕してから、候補が5人ぐらいかな、後ろの。勝ちパターンというか、5人ぐらいがある程度いけるから、開幕からの順番はまだ分からんな。湯浅次第やわな、結局は」

 -先発の6番手以降はまだ決めかねる。

 岡田「新しいB・ケラーは面白い。強いボールを投げるし、低めにいくからな。岩貞とか、大竹もいいからな。その辺で6、7、8(番手)ぐらいをうまいこといけたら」

 -開幕投手はどの段階で決めるイメージ?

 岡田「キャンプが終わってから3月に入ってからやろな。それで(開幕から)逆算していって。青柳にしても、WBCに選ばれなかったから逆算できるよな」

 -井川君がいた時には開幕投手をどのように決めた?

 岡田「他におらんよ(笑)他に誰がおるんよ、ベテランばっかりで。(就任1年目は)シモ(下柳)、藪やろ、あとは伊良部もいたか。年齢的なものとか、1年間ローテーションを守って200イニング投げるというのは井川しかおれへんから。そんなん全然、迷いも何もなかったから。ピッチングコーチも暗黙の了解で、井川という感じやったから。他の選手もそう思ってたから。開幕は井川やろうなと」

 井川「あまり直で、ピッチングコーチからも言われてなかったので」

 岡田「そうやろ、もう分かってるやろということやろ」

 -井川君の登板日は中継ぎが休みという状況だったと。

 岡田「今は井川みたいに200イニングを投げへんやろ。だから、そこまでのエースというとおかしいけどそれはまだおらんよね」

 (続けて)

 岡田「最初からみんな良いわけじゃないからな。(井川も)高校から入ってきてな。最初はあれやったもんな、ワンポイントみたいな感じやったもんな。覚えているのは1999年のファーム選手権かな、金沢(健人)が先発して」

 井川「金沢さんが5回しっかり抑えられて、その後に(八回から)自分がいって」

 岡田「1イニング(のつもり)で」

 井川「でもワンアウトも取れなくて」

 岡田「試合は打って勝ったんやけど。でもそういうところからはい上がってきたんやからな。みんな、段階をそうやって踏んできてるんやから。最初からええわけじゃないから。そういうことよ。何かできっかけをつかんだりというのが、みんなあるよな」

 -リリーフでは加治屋もいいが、後ろを任せる5人の候補にも?

 岡田「これからどんどん実戦で投げさせて、当然勝ちパターンというか、抑えていけばそこにあてはめてもいいし。勝ちパターンといっても『負けてる時のピッチャー』とか、そうは考えへんけどな。(05年の)ハシケン(橋本健太郎)、江草、桟原とかも、敗戦処理のピッチャーじゃないから。1点、2点負けてる時にあいつらががんばるから、逆転したりと。だから一番大事な部分やけどな。(点差が)1点、2点なのが3点、4点になってしまうのと、踏ん張って追い付くのとではな。長いシーズンを考えると、試合を壊さないピッチャーは大事な部分」

 -ローテの編成で重視することは?

 岡田「開幕2カードの6人はいるわな。前は中5でいくとかあったけど、最初は中6やから6人でな。オレは(前政権時も)相性とかはあまり見なかったわ。順番の上で。前年の相性とかを言い出したら、限られてしまうからな。向こうも(相性の悪い投手を)研究するからな。だから相性ではローテーションを決めないよ。当然、ええピッチャーからいくよ。先に勝った方がいいわけやから」

 -6人目がバシッと決まるといい。

 岡田「若いピッチャー、実績のないピッチャーなんかは勝たせてやるようにせんとあかんわな。2007年に上園でそれをやったよ。楽天戦にあてて打線も打って勝って、そこから8勝して新人王を取ったから。自信を付けたから。そんなもんなんやな、今回なら才木とかな、最初に1つ2つ勝ったらポーンといってしまうというかな。うまいこと才木なんかは、向こうの投げ合うピッチャーを見たりしてな」

 井川「今年は“アレ”を期待して、楽しみに見させていただきます。今回はありがとうございました」

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