阪神・ドラ6富田 急浮上 岡田監督ホレた極上12球「いつでもストライク取れる感じ」
「阪神紅白戦、白組3-6紅組」(12日、宜野座村野球場)
わずか12球で指揮官に衝撃を与えた。阪神ドラフト6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=が12日、紅白戦に登板し、1回1安打無失点と好投。1軍首脳陣の前では初となる実戦登板で結果を残し、アピールに成功した。岡田彰布監督(65)はルーキー左腕が見せた抜群の投球センスを絶賛。近日中の1軍昇格を示唆した。
富田は魔術師のように白球を操り、簡単に打者を手玉に取った。剛速球や伝家の宝刀があるわけではない。決して派手な投球スタイルではないが、存在感は群を抜いていた。
「変化球も自分の思ったところに投げられましたし、ランナーが出た状態でも慌てずに自分のピッチングができた」。紅組の5番手として九回に登板。先頭・遠藤をこの日最速の外角低め146キロ直球の1球で左邪飛。ドラフト5位・戸井(天理)に右前打を許すも、熊谷を直球で三邪飛、高浜を三ゴロに打ち取り、テンポ良く試合を締めくくった。
1回1安打無失点と危なげない投球を披露。わずか12球で1イニングを終わらせた。「基本は真っすぐベースでそこにカーブを交ぜたり、チェンジアップを交ぜたりって感じで投げました」と緩急自在の投球スタイル。変化球は5球投じ、ボールとなったのはわずか1球。フォーク、チェンジアップの落ち球も低めに集め、失投らしい失投はなし。丁寧でありながらも小気味がいい投球でセンスを漂わせた。
他球団007も富田の投球術を警戒。DeNA・新沼スコアラーは「打たせて取るタイプ。指先の感覚が良さそう」と分析し、「器用さっていう部分では、伊藤(将)選手に似てるんじゃないかな」とルーキーイヤーから先発ローテを回り続けている技巧派左腕と姿を重ねた。
岡田監督は「いつでもストライク取れるような感じやし。カーブ、スライダーでな。俺は良かったと思うよ、一番安定していたのは富田やと思うよ」と絶賛。報道陣から1軍に呼んでみたいか問われると「もうちょっとしたら分かるよ」と笑い飛ばしながら、近日中の1軍昇格を示唆した。
キャンプは2軍スタートも、1度目のチャンスで指揮官を魅了した左腕。「課題や良かったところをゲームの中で吸収してプラスしていけたらと思います」。即戦力候補のドラ6ルーキーが、開幕1軍に向けて確かな一歩を踏み出した。
【富田蓮アラカルト】
◆生まれ 2001年9月6日生まれ。岐阜県養老郡養老町出身
◆サイズ 174センチ、78キロ
◆球歴 6歳から広幡クラブで野球を始め、養老町立東部中時代は大垣ボーイズに所属。大垣商では1年秋からベンチ入り。三菱自動車岡崎に入社後、侍ジャパンのU23代表に選出。最速147キロ。
◆球種 直球、スライダー、チェンジアップ、カーブ、フォーク
◆好きなタレント 橋本環奈、今田美桜
◆好きな歌手 ベリーグッドマン
◆座右の銘 「人生一度きり」
◆好きな母の手料理 ハンバーグ(デミグラスソース)
◆特技 水泳
◆趣味 温泉に行くこと、映画観賞
◆家族構成 両親と兄
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