【阪神ドラフト選手特集・森下翔太(1)】打撃の礎は父の“メジャー流指導”

 東海大相模高時代の森下(Twitter@photobyAko提供)
 中大時代の森下
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 10月のドラフト会議で、阪神から指名を受けた7選手(1~6位・育成1位)の連載をお届けする。初回はドラフト1位の森下翔太外野手(22)=中大=の打撃がいかに作られたかを、幼少期から振り返る。

  ◇  ◇

 父・善文さん(54)の“メジャー流指導”が、森下の打撃の礎を築いた。森下が2歳の時に、近所に野球ができる公園がある場所を選んで現在の自宅を購入。「息子をプロ野球選手に」と夢を持ち、森下の物心がつき始めた時から二人三脚での特訓が始まった。

 「とにかく遠くに飛ばせ!」。善文さんはセオリーから逸脱した打撃論を、野球を始めたばかりの森下に伝授した。一般的に、バットをボールまで最短距離で出すことが基本とされる少年野球でのスイング。両脇を締め、コンパクトに振ることが良しとされる傾向がある。ただ、善文さんは「右肘を上げた構えから打ちにいけ」と指導。メジャーリーガーをほうふつさせる豪快な構えから、森下の打撃は作り上げられていった。

 当時は米大リーグでイチローや松井秀喜が活躍。善文さんはメジャーの試合を見る中で、外国人選手の打撃フォームに魅了された。「目に入ってくる外国人バッターは、日本の選手と違ってシンプルだなと」。自身も高校まで野球を続けた元球児。その経験もふまえたうえで、メジャーの打撃が理にかなっていることを確信した。

 日課であった自宅リビングでのティー打撃では、逆方向への打撃を磨くために、森下から見て左前方の位置からボールをトス。インサイドアウトのスイングを染み込ませながら、とにかくフルスイングさせた。ただ、自身が監督を務めていた少年野球時代に森下の打撃は開花せず。中学でも打撃で目立つ存在ではなかった。

 突然変異を起こしたのは、東海大相模高1年時の5月。練習試合で逆方向への本塁打を放ち、そこから高校通算57本塁打のスラッガーに変貌した。「急に高校でホームランを量産して何が起こったのかなと。小、中とやってきたものが合わさったのかな」と善文さん。父の指導は、高校でようやく実を結んだ。

 森下は今も同様のフォームで構え、「海外の選手のバッティングスタイルが好きで参考にしている」と明かす。体に染み込んだメジャー式打法が、森下親子が二人三脚で歩んだ証しだ。

【アラカルト】

◆生まれ 2000年8月14日 横浜市出身

◆サイズ 182センチ、90キロ

◆投打 右投げ右打ち

◆球歴 日限山小1年から野庭日限フェニックスで野球を始める。日限山中時代は、戸塚シニアに所属。東海大相模高3年春のセンバツでベスト4進出。高校通算57本塁打。中大では1年春からリーグ戦に出場し、ベストナインに輝き、日米大学野球選手権大会にも出場した。4年春に2度目のベストナイン受賞。2度目の大学日本代表選出を果たすも死球の影響で出場できず。大学通算9本塁打。

◆座右の銘 アグレッシブベースボール

◆尊敬する選手 DeNA・牧。憧れの選手は米大リーグ・エンゼルスのマイク・トラウト

◆好きな食べ物 カレーライス

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