阪神 湯浅“魂の17球”でファイナル王手 大谷以来CSで“プロ初セーブ”
「セCSファーストS・第1戦、DeNA0-2阪神」(8日、横浜スタジアム)
「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」のファーストSが開幕し、阪神が勝利してCSファイナルS進出に王手をかけた。阪神は湯浅京己投手(23)が、八回2死一、二塁から登板。DeNA・牧を空振り三振に仕留めると、九回も無失点で“プロ初セーブ”を記録した。下克上日本一に向け、勢いを加速させた魂の17球。まずは9日、DeNAを下して、ヤクルトへの挑戦権をつかむ。
一発逆転という大ピンチを迎えると、横浜スタジアムに救世主のコールが響いた。「ピッチャー湯浅」-。最終回から登板予定だったが、矢野監督から託された八回途中のマウンド。死に物狂いでねじ伏せ、会心のガッツポーズを披露だ。
「『牧まで回ったら行くよ』と言われて。牧までいったら行くんだと思って作りました。本当にヒットも打たれたくないと思ってマウンドに上がりました」
4番を抑えるにはこの男しかいなかった。八回から登板した岩崎が自身の悪送球などでピンチを拡大。2死一、二塁から牧が打席に入ったところで、湯浅が救援に向かう。
自身初体験のCSで、青く染まったスタンドも含めて完全アウェーの空気感。それでも、マウンド上での表情には余裕があった。直球を4球直球続け、カウントは2-2。ここでバッテリーの選択したフォークは少し甘く入ったが、牧のバットが空を切り「ほっとしました」と安どした。
九回には「自分の中では全然行けると思っていた」と、シーズンで2度あった回またぎでマウンドへ。2死からソトに中前打こそ許したが、代打・大田を三ゴロに仕留めてゲームセット。勝利の継投につなげた魂の17球が“プロ初セーブ”につながり、CSファーストS突破に王手をかけた。
日々の確認作業が湯浅の“奮投”を支えている。登板後は必ず、弾道計測機器の「トラックマン」を確認。チェックポイントは直球のホップ成分や回転軸だ。「ホップ成分は自分の中で絶対に見ます。そこがズレていたら投げ方とか、リリースとかが変わってきていると思うので。回転数より重要点ですね」。
今年の球宴での中継中には、ヤクルト元監督の古田敦也氏から「(上から叩けている)理想の回転の直球」と絶賛されていた。データと自身の投球映像を照らし合わせることで、ベストパフォーマンスにつなげている。
横浜スタジアムでの連敗を「8」で止めた快投。ファーストS初戦勝利球団の突破率は86%だ。9日に決めたい。「みんなで力を合わせて絶対勝つので明日も“アツアツ”な応援よろしくお願いします!!」。下克上ロードに、虎が誇る最強リリーバーが欠かせない。
◆ファーストS突破率86% 2007年開始のセ・リーグCSファーストSは過去14度のうち、初戦勝利した12チームがファイナルS進出。86%の高確率だ。パ・リーグのプレーオフ(04~06年)、ファーストSを含めても84%。また阪神の初戦勝利は2014、17、19年の3度で14、19年がファイナルS進出。
◆CSで“プロ初セーブ” CSが2007年に開始されて以降、公式戦でプロ初セーブを記録していない阪神投手がCSでセーブをマークしたのは初。他球団では、大谷翔平(日本ハム)が2016年10月16日のCSファイナルS・ソフトバンク戦で“プロ初セーブ”を挙げている。
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