阪神・青柳 魂の村上斬り 「本当に苦しかった」自身8戦ぶり勝利で最多勝〝当確〟13勝目

 6回、村上を三振に斬り、雄たけびあげる青柳(撮影・飯室逸平)
 6回、青柳(50)の前に空振り三振に倒れる村上(撮影・佐々木彰尚)
 先発の青柳(撮影・飯室逸平)
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 「ヤクルト1-4阪神」(27日、神宮球場)

 負けられない一戦で、ついにトンネルを抜けた。阪神・青柳晃洋投手(28)が6回1失点で自身8試合ぶりとなる白星。リーグ単独トップの13勝となり、最多勝獲得が確実なものとなった。ヤクルト・村上を無安打に封じた投球で勝利に貢献し、チームは連勝で3位タイに浮上。逆転CS進出に前進した、価値ある勝利となった。

 絶対負けられない一戦。久しぶりの勝利に穏やかな笑みがこぼれる。青柳が、勝った。

 「何球投げようがゼロで帰れば正義だと思っていた」。言葉通り、要所を締めて粘り切った。1点の援護をもらった初回、二回はいずれも2死二、三塁とピンチを招いた。それでも「どの球種でもある程度カウントが取れた」と後続を断った。失点は六回に宮本に許したソロ弾のみ。6回1失点で8試合ぶりの勝利を手にした。

 強敵も封じた。ヤクルト・村上との対決。昨季は15打数8安打と打ち込まれたが、この日は2打数無安打1四球。六回1死ではフルカウントから146キロ外角高め直球で空振り三振。「ヤクルトを象徴するようなバッターなので抑えられたらうれしい」と納得顔だ。

 これでハーラー単独トップ13勝、防御率2・05、勝率・765の投手3冠をグッと引き寄せた。「(タイトルを)取れたら、ものすごくうれしい」と話す一方で「チームの勝利に貢献できたのが一番」と右腕。7試合白星なし。快進撃を続けた前半戦があるからこそ、結果を求められた。「本当に苦しかったですね」。それでも1度も登板間隔を飛ばすことなく送り出してくれた首脳陣の期待に、ようやく応えられた。

 感謝の心を忘れない。シーズン終了後には奥さんに贈り物をするのが恒例だ。昨年はネックレスをプレゼント。シーズン中にお世話になったお礼に義母、義姉を連れて旅行へ行くこともあるという。「1年間支えてもらって、ありがとうございますの気持ちが大きい」。大切な家族のサポートがあってこそ、積み上げた13勝だ。

 どんな時も信じてくれた虎党に誓った。「勝って、全部勝って、CS行けるように頑張ります」。大黒柱の1勝から、最高のフィナーレを描く。

 ◆セ界最多勝争い 今季13勝の青柳を12勝の巨人・戸郷が追う展開。戸郷の前回登板は24日・中日戦で巨人は残り2試合。戸郷が先発できる試合は現実的に考えて1試合で、勝利投手となっても13勝で青柳と並ぶことになる。また、残り5試合のDeNA・大貫は今季11勝で前回登板は24日・ヤクルト戦。ただ勝利数は2勝差だけに、青柳がほぼ当確の情勢だ。

 ◆CS争いで宿敵を逆転 阪神は今季勝敗成績を巨人と全く同じ67勝71敗3分け、勝率・486に。2球団が並んだ場合、直接対決の勝敗が優先されるだけに、今季巨人戦を14勝10敗1分けで勝ち越しを決めている阪神が優位に立つ。最短CS進出決定日は10月1日。条件は(1)阪神が28日・ヤクルト戦に勝利(2)広島が29、30日・ヤクルト2連戦に連敗(3)巨人が10月1日・DeNA戦で敗れれば阪神がCS確定。

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