【糸井スピーチ全文】悔いは残っていません 超人伝説は続きます

 阪神・糸井嘉男外野手(41)が21日、甲子園球場で行われた広島戦の試合後に引退セレモニーに臨んだ。糸井のスピーチ全文は以下の通り。

  ◇  ◇

 (球友、恩師からのメッセージ後に)

 いや、ちょっとこんなメッセージ見せられたら、ちょっと全て忘れちゃいました。なので、きょうはちょっと(スピーチ原稿を)置かしてもらってます。

 はじめに大事な時期にこのような素晴らしいセレモニーを用意してくださった阪神球団、球団関係者、監督、コーチ、選手のみなさん、本当にありがとうございます。

 きょう、僕はここで19年間というプロ野球選手に別れを告げます。改めて、このような光景を見させていただくと、もう僕には悔いは残っていません。

 そして、育てていただいた北海道日本ハムファイターズ、オリックスバファローズ、両球団に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 投手として入団してわずか2年で野手転向を告げられました。そこから僕の野球人生は変わりました。結果が出なければ、すぐにクビを切られる世界。プロの世界は本当に厳しい世界だと肌身に思い知らされました。

 そこからは死にものぐるいでバットを振り続け、毎日、毎日。もうあの思いをしたくないとバットを振り続けました。あの時の悔しさ、努力の大切さ、僕の土台です。

 朝から晩までペットのようにしつけてくれた大村コーチありがとうございました。あの時の土台があったからこそ、苦しい時も心が折れそうな時も前に立ち向かっていけました。

 その気持ちだけをもって戦い続けました。いつしか、みなさんが超人、超人と呼んでくださるようになってからは、最初は羽のはえた鳥人かなと思いました。

 いつしか意味を理解し、今では心地の良い響きです。そして、FAでタイガースに入団。正直、小さい頃から大好きで憧れの球団でした。金本前監督とのご縁で入団することになり、初めてこの甲子園でプレーした時の感動、興奮、胸の高鳴りは一生忘れません。

 地鳴りのような声援、シビれました。みんなと優勝したい、勝ちたい、その一心でこの6年間、戦い続けてきました。今年もまだチャンスあります。信じています。タイガースは本当に成長したと思います。素晴らしいチーム、チームメートです。

 みんなが声援に応えようと日々努力しています。強いタイガースの時代が来ることをみんな、信じていましょう。ファンの方々も、その時まで僕と応援しましょう。

 最後になりますが、野球を通じて出会えた人々に本当に感謝しております。正直、『糸井ならやれるや~』が聞かれなくなるのが寂しいです。でも僕の野球人生は本当に幸せでした。密でした。やりきりました。

 でも、超人伝説はまだまだ続きます。甲子園ありがとう。タイガースファンありがとう。おやじ、おかんありがとう。本当に19年間、温かいご声援ありがとうございました。

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