阪神・西純 4度目!頼もし連敗ストッパー 5回途中0封で6勝目&気迫の初竜倒
「阪神5-0中日」(11日、甲子園球場)
勢いよく中堅方向を振り向き、雄たけびを上げた。1-0の六回、1死一、三塁のピンチ。阪神・西純矢投手が150キロ直球を坂本が構えた内角低めへズバッと決めると、A・マルティネスのバットはピクリともせず。渾身(こんしん)の1球で見逃し三振に仕留めた。
「誠志郎さん(坂本)からずっと『マルティネスのインコースに行く時は、それが勝負球だと思って投げてこい』と言われていたので、サインが出た時に絶対決めないといけないと思って投げました」
投球で“返事”を示してみせた。1日の練習中に、矢野監督から言葉をかけられた。「結果オーライの球を投げるんじゃなくて、バッテリーでしっかり意図を持って投げないとダメだと。そういう(結果オーライの)ピッチングをしていると、10勝10敗の貯金が作れないピッチャーになってしまうからと」。もう立派なローテの一角。大きく成長する姿が望まれている。
「きょうの一番の勝利の要因は、純矢(西純)の投球」と指揮官。初回には2死一、二塁といきなりの危機を招いたが、A・マルティネスをフォークで空振り三振に。0-0の四回には先頭・阿部に中前打を許したが、その後の1死一塁からA・マルティネスが放った痛烈な打球を三塁・糸原がダイビングキャッチし、5-4-3の併殺に。「健斗さん(糸原)の好守備もありましたし、要所で先輩方が声をかけてくれたおかげで、なんとか粘り強く投げることができました」とスコアボードにゼロを並べ続けた。
プロ入り最速の154キロをマークして、5回2/3を5安打無失点で今季6勝目。これで自身が勝利投手となって連敗を止めた試合は今季4度目となった。「まだまだ先輩方に引っ張ってもらっていますけど、自分の投球ができているのかなと思ってます」。若き“連敗ストッパー”がチームに勢いを吹き込んだ。
◆52年ぶり!完封勝利20試合 阪神の完封勝利は今季20試合目でリーグ最多。球団史上、シーズン20試合以上の完封勝利は22試合だった1970年以来、52年ぶりとなった。他のシーズン20試合以上は40年=26、47=24、55年=21、56年=28、57年=23、59年=24、62年=24、65年=32(NPBタイ記録)、66年=21。