「阪神２－４ヤクルト」（３１日、甲子園球場）

　阪神・佐藤輝が先制への流れを作った。まずはバットで魅せた。四回無死一塁。１ボールから原が投じた１４２キロ高め直球を強振。鋭い打球が右前に弾み、一走・近本も楽々と三塁へ進塁した。

　続く大山の先制右前適時打が飛び出すと、一走・佐藤輝は三塁まで激走。勢いよく滑り込んで判定はセーフ。聖地が沸いた好走塁が糸原の中犠飛へとつながった。

　しかし、肝心なところで打てなかったことが痛い。２点リードの五回２死満塁。追加点を奪う絶好のチャンスで、左腕・久保にボール球の外角スライダーを振らされ、３球三振に倒れてしまう。

　村上に勝ち越し２ランを許した直後の延長十一回１死で迎えた最終打席でも、マクガフが４球目に投じた高めのつり球、１５２キロ直球に誘われてバットは空を切った。相手主砲・村上の３本塁打に対し、自身は１安打２三振。４番の結果に明暗が分かれた。

　試合前は誕生日の糸井と２ショットで記念撮影も行い、表情も明るかったが…。敗戦後は一切、笑顔が見られなかった。「（４番として）チームを勝たせないと」と虎を背負う佐藤輝が、次戦こそ試合を決める一打を放つ。