阪神・北條 再発の恐怖に打ち勝った449日ぶりの一撃

 「阪神2-1中日」(15日、甲子園球場)

 長く、つらい苦しみを乗り越えた。阪神・北條史也内野手(27)が二回、左越えに1号逆転2ラン。449日ぶりの一撃で、左肩手術後の苦悩の日々が報われた。

  ◇  ◇

 再発の恐怖に打ち勝ち、甲子園で快音を響かせた。昨年9月の2軍戦でファウルゾーンへの飛球を追いかけた際にフェンスにグラブが引っかかり左肩を亜脱臼。10月のフェニックス・リーグでも、ゴロに飛びついた際に再び同箇所を負傷し、手術に踏み切った北條。守備の際に負った故障だったが、再発の恐怖はバットを握った時に襲った。

 手術から約3カ月がたった今春の安芸キャンプ。「泳いで空振りするのが怖いんです」と恐怖を感じていた。「痛みとかはあんまりないんですけど。ただ、ただしょぼくて。肩しょぼいです」。左手一本でバットを振り切る動作に不安がよぎる。復帰当初のフリー打撃では右手を離さず、慎重にスイングする姿が印象的だった。

 この日放った“ヒーロー弾”は、フルスイングでかました一発。再発の恐怖を乗り越えた証しだった。(デイリースポーツ・阪神担当・北村孝紀)

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