阪神・佐藤輝2勝目弾 1421日ぶりに聖地で菅野に土 逆転G倒で連敗ストップ

 6回守備に就く佐藤輝は、歓喜するファンに手を挙げて応える(撮影・山口登)
 5回、右越えに逆転2ランを放つ佐藤輝(撮影・山口登)
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 「阪神4-1巨人」(15日、甲子園球場)

 痛快な今季2勝目や!!2試合連続で2番に入った阪神・佐藤輝明内野手(23)が、1点を追う五回に巨人のエース・菅野から右翼席へ逆転4号2ラン。チームにとって82イニングぶりとなる複数得点をもたらした。出遅れていた青柳が今季初登板で初勝利。甲子園に詰め掛けた3万4153人の前で投打がかみ合い、1分けを挟んだ6連敗を止めた。さあ、一気に浮上するで!

 苦しみながら、やっとやっとつかみ取った白星。待ち望んだ瞬間に、選手もファンも気持ちが高揚していた。佐藤輝は試合後のお立ち台で「めちゃくちゃうれしいです!!」と最高の笑顔で声を張り上げた。スタンドのファンは狂喜乱舞だ。ヒーローの声を聞くファンの中には満面の笑みを浮かべる人、涙を流す人もいた。

 若き大砲のバットが歓喜の瞬間への道を切り開いた。1点を追う五回2死二塁。カウント2-2から菅野が7球目に投じたスライダーを強振した。

 「最後に打てる球が来たので、必死に食らいついた」

 右手1本で振り抜いた当たりは右翼ポール際に着弾した。球場に漂うどんよりした空気を切り裂き、マウンド上では巨人のエースが落胆。4号逆転2ランはチーム82イニングぶりの複数得点にもなった。大歓声を一身に浴びながらダイヤモンドを一周。感情を爆発させる瞬間もあった。

 2年前の入団会見で「(菅野から)もちろんホームランを打つイメージはしています」と予告していた。2番打者として打った有言実行の一撃。これまで6打数無安打と完璧に抑え込まれていたが、流れを変える決勝弾に「初ヒットっすよね?うれしいです」と笑顔。菅野に18年の5月25日以来となる甲子園での黒星をつけた。

 チームは5試合連続1得点以下。重い雰囲気が漂っていたが、4点を奪って球団ワーストタイの6試合連続は阻止した。「雰囲気が暗いなと言われていますけど、やっぱり勝たないと雰囲気も上がっていかないので」と勝つためにも、己の役割に徹する覚悟だ。

 どんな苦境に立たされても、自ら限界を設定はしない。学生時代に陸上選手・為末大の「限界の正体」という一冊に触れて、考え方が激変。「結局、限界を作ってしまうのは自分なのでね。自分で限界、無理だなとは思わないようにしたい」と強い信念を持って、打席に向かっている。

 殊勲の一発を放った背番号8に、矢野監督も「テル(佐藤輝)が打つとね、そういうムードが変わる力を持っている選手なので」と最敬礼した。

 苦しんだ末につかんだ今季2勝目。佐藤輝は「このまま波に乗って、明日もあさっても勝ちたい」と虎党に宣言。逆転弾を進撃の号砲とし、チーム一丸で猛烈に巻き返していく。

 ◆1421日ぶり!聖地で菅野撃ち!! 巨人・菅野との甲子園での対決で黒星をつけたのは2018年5月25日以来、1421日ぶり。同年9月8日から21年9月19日までリリーフ登板1試合を含めて6戦4敗だった。また、菅野の甲子園での阪神戦通算成績は20試合で11勝3敗となった。

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