阪神・佐藤輝 4番が責任背負った 九回意地の適時打も球団ワーストタイ27年ぶり開幕5連敗

 9回、右前へ適時打を放つ佐藤輝(撮影・田中太一)
 9回、ロハス(手前)が空振り三振に倒れて5連敗。力なくベンチを後にする矢野監督(右)
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 「広島8-3阪神」(30日、マツダスタジアム)

 夜明けは遠い…。阪神はロハスの先制弾もむなしく逆転負け。開幕5連敗は1995年以来、27年ぶりとなる球団ワーストに並んだ。九回に意地の適時打を放ちながらも、4番として敗戦の責任を負った佐藤輝明内野手(23)は「明日しっかり勝てるようにやっていくだけ」と反攻を宣言。今日こそ頼む、勝ってくれ-。

 ゲームセットの瞬間まで、若き4番は必死に追いすがった。7点を追う九回1死一、二塁から佐藤輝が意地のタイムリー。3番手・コルニエルの146キロを打ち砕き、右前へ。「負けましたけど、自分のスイングを初球からしようと思いました」。開幕戦の四回以来となる41イニングぶりのタイムリーで、赤いスタンドを一瞬、沈黙させた。

 ただ、チームの開幕5連敗に佐藤輝は厳しい表情だ。23歳の4番はキャンプ、オープン戦と好調キープ。ただシーズンでは執ような内角攻めに遭い、この3試合は1安打ずつ。まだノーアーチで「ずっと調子が良いのは無理と思う。悪いなりにもちょっとずつ調子を上げていければ」と敗戦の責任を背負い込むように言葉を紡いだ。

 連敗ストップへ、矢野監督も打開策を練った。「なかなか状態がみんな上がってこない。何かきっかけをつかんでもらえたら」と打順のテコ入れを敢行。糸原を2番に上げ、5番・大山、6番・ロハスで臨んだ。五回に今季初スタメンのロハスが先制ソロ。打順変更が功を奏したが、つながりは欠いたままだ。

 課題の拙守も顔をのぞかせた。1-2と逆転を許した六回2死一、三塁から末包の打球を遊撃・中野がまさかのトンネル。今季チーム初失策を記録すると悪循環は続く。八回1死二塁から三塁・大山が一塁に悪送球し、痛恨の追加点献上。「拓夢(中野)に関しては下がって捕ってるわけだし、悠輔(大山)だってね。しっかり投げればっていうところがあるんで」。4年連続でリーグ最多を数えた失策数はチームの弱点。指揮官も苦言を呈した。

 前夜は新助っ人・ケラーが打たれ、サヨナラ負け。虎の夜明けは遠く、なかなか負の連鎖を断ち切れない。「苦しいのはみんな苦しい。でも一人の“絶対変えてやる”という思いがつながれば、大きな力に変えられるんで、そういう思いでいくしかない」。矢野監督がチームの結束を説けば、佐藤輝も「明日からしっかり勝っていけるようにやっていくだけです」と前を向いた。今こそチーム一丸となって、この苦境を乗り越える。

 ◆遂にワーストタイ開幕5連敗… 阪神の開幕5連敗は球団ワーストタイ記録で4度目。最下位に沈んだ1995年以来、27年ぶりの屈辱となった。開幕2カード連続負け越しは20年以来。また、この日で首位・広島と5ゲーム差。阪神のリーグ優勝は過去5度あり、最大逆転優勝は64年で大洋につけられた6・5ゲーム差からだった。

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