阪神・伊藤将 2年目のジンクス眼中なし!能見フォーク試行錯誤も「無駄な失点改善できる」
2年目のジンクスなんて眼中にない!阪神・伊藤将司投手(25)が14日、デイリースポーツのインタビューに応じ、今季への意気込みを語った。ルーキーイヤーに10勝を挙げた左腕は、2年目のジンクスも「全く気にしていない」と笑い飛ばした。オフにオリックス・能見との合同自主トレに志願参加。直伝のフォークを習得し、2年連続2桁勝利、さらには最多勝のタイトル獲得を目標に掲げた。
◇ ◇
-キャンプ2年目。昨年との違いは。
「去年はまだ何も分からない状態で入ってきたので。今年は1年間経験させてもらったので、流れだったり、自分のペースでできているのではないかなと思います」
-1年前のキャンプでは中盤にペースを落とした時期もあった。
「ちょっとオーバーワークになって、いったん落としてっていうのがありました。去年はメニューに合わせていた部分もあったけど、今年は自分のやりたいことができている感じですね」
-球数を多く投げることも今年のテーマに掲げていた。
「ほぼほぼ毎日のようにブルペンに入っているので、ここまでとてもいい感じに投げられています。去年の同時期と比べても仕上がりは全然早いと思いますね」
-具体的に最も大切にしている部分は。
「ピッチングでいえば、右打者、左打者のインコースを意識してストレートを投げることをやっています」
-先発した12日の楽天戦でも内外を意識した投球が見られた。
「ちょっと甘い球もありましたけど、自分の中では最初の(対外)試合としては良かったんじゃないかなと。内を攻めて、外の球で見逃し三振を取れたあたりは良かったかなと思ってます」
-オフは志願する形でオリックス・能見と自主トレを行った。
「能見さんからは、調子が悪い時こそストレートが重要になるという話や、フォークの意識などを教えてもらったので。キャンプでは、それを意識しながらやっています」
-能見直伝フォークの手応えは。
「そうですね…もうちょっと練習がいるのかなとは感じます」
-実戦で試してみての感触は。
「誠志郎さん(坂本)にはちょっとまだ落ち幅だったり、球速の違いだったりがパッとしていないと。自分のイメージ的にも違うのかなと。まだ見極められる場面があって、まだ落ちが甘いのかなとは感じました。練習して三振を取れるようにしていきたいなと」
-修正していける範囲なのか。
「そうですね。(握りの)深さを変えたり修正しながら、試して確認する作業を今やっています。この後も試していって、公式戦で使えるようにしていきたいと思います」
-矢野監督は2年目になるとマークが厳しくなると。
「去年もホームランが多かったりとか、ピンチの時にムダな失点とかがあったので。そこを減らすためにもフォークを覚えたりとかで改善できると思っています」
-断定調で『2桁勝つ』と入団会見で誓った目標を達成。
「自分も正直そこまで行けると思っていなかったので、1年目で達成できたのは大きかったと思います。でも1年だけじゃダメ。今年もしっかり結果を残せるようにやっていきたいと思います」
-『2年目のジンクス』という言葉は意識しているか。
「別になんも(笑)。全く気にしていないですね」
-新人として1年間ローテーションで回って感じた部分は。
「1年間守るという体力だったり、そういうのも分かりましたし、ああやって優勝争いの中で投げられたことは自分にとってもすごくいい経験だったので。そこをしっかり生かしてやっていけたらなと思います」
-夏場に勝てない時期があったが、10、11月には月間MVPを獲得する活躍を見せた。
「社会人の時も1年間やって、だいたい後半戦がいいイメージがあって、夏場らへんが落ちるというのもあったので。そこをもうちょっと崩さないようにしていきたい。していかないといけないなと思います」
-体力的な問題か。
「その時期になると一回落ちるので、体力面もあると思うんですけど…。その期間をなるべく短くしていかないといけないなと思います。一年間やってみて、そこに改めて気づけた部分は大きいと思います」
-改善するために考えていることは。
「シーズンに入っても、ランニングはしっかりして。ウエートでもシーズンに入っても、夏バテしないような筋力だったりをつけられたらと思って取り組んでいます」
-昨季の投球で自信になった試合、悔しかった試合は。
「良かったのはやっぱり完投できたことですかね(昨年4月24日のDeNA戦)。悪かった点は勝ち越している中で逆転ホームランだったりとか、野手に申し訳ない点の取られ方だったりとかもあったので、そこは改善していきたいなと思っています」
-3連敗した時には、お父さんに連絡したと聞いた。
「オヤジはやっぱりずっと長く自分の投球を子供のころから見ていたので、どういうところがダメなのかとかをLINEで聞いたんです」
-主な助言は。
「技術的な面だけでなく『そういう時もあるよ』みたいなメンタル面のアドバイスがありましたね」
-そういう相談をしたのはプロに入って初めて?
「そうですね、初めてですね。オヤジからちょくちょく連絡は来るんですけど」
-自分の中でも勝てない葛藤があった?
「その中で先輩に聞いて、秋山さんに『勝てない時は防御率や投球イニング数など自分のコントロールできる範囲のことを考えて(気持ちを)調整していくように』とアドバイスをもらったり。そういう考え方があるんだなと知ることができましたよね」
-矢野監督はどういう監督か。
「これまでには会ったことのないタイプの監督さんかなと。キャッチャー出身の方なので、野球のことはいろいろと聞きやすいです。一方で野球人としてだけじゃなく、『人』としての話をミーティングなどで、たくさん聞かせてもらっています」
-監督がキャンプ前に退任を表明したことについて。
「監督が辞めるとなって、やっぱりタイガースが優勝して矢野監督を胴上げできるように頑張りたいなという思いが強くなりました」
-これまで掛けられた言葉で印象に残っているのは。
「自分の中ではやっぱり去年のカープ戦のピンチの場面(7月3日、2点リードの七回2死満塁)でマウンドに来てもらって、そこで『任した』と言ってもらえた言葉が大きく印象に残っています。福さん(福原投手コーチ)が来ると思ったんですけど、あれ?ってなって。監督が来てびっくりしてしまいました」
-期待に応えて代打・松山を二ゴロに抑えた。
「監督が来るいうことはめったにないと聞いていたので、その中で来てもらって、ああいう場面でしっかり抑えられたのは自信につながりましたね」
-グラブに個性的な刺しゅうを入れているがこだわりがある。
「こだわりっすか(笑)。狙いもこだわりもないっすね。ただ、入れたいから入れた感じなので…」
-グラブをはめる時に見たりするためか。
「いや、見たりとかじゃないですね。面白いから入れるって感じで、こだわりではないんですよね」
-長州力の『飛ぶぞ!』に続き、今年はお笑い芸人・島田珠代のギャグ「PANTY TEXX」。かなり斬新ではあるが。
「まあ、そこはみなさんで判断してもらって(笑)。自分がいいと思ったので。なんか今年は頭にピーンと(PANTY TEXXが)来たっす(笑)」
-珍しい左利きのAB型。周りから変わっていると聞くが、自分自身の自覚は。
「いや、ないですよ(笑)。別にそこまで嫌ではないんですけど、変わってんのかな~というのは少しはありますよ。でも“自分は自分なりに”みたいなものはあるので、それが今はいいのかなと思いますね」
-去年は規定投球回に2回2/3だけ届かなかった。それも含めて最後に今年の目標を。
「もちろん規定に到達したいという思いはあります。今年は最多勝を獲れるように頑張りたいと思っているので、やっぱり長いイニングを投げられれば、そういうチャンスも増えてくると思いますし。近くの先輩でもある青柳さんが去年(最多勝を)獲られたので、自分もそこを目指してやれればいいなと思っています」
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