阪神・矢野監督 「笑顔の輪」広げる 今春メド「39基金」NPO法人化&代表に

 プロ野球人の社会貢献活動を表彰する「ゴールデンスピリット賞」の第22回表彰式が20日、都内で行われ、受賞した阪神の矢野燿大監督(53)が出席した。筋ジストロフィー患者、児童養護施設の子どもたちへの応援基金「39(サンキュー)矢野基金」を12年間、継続していることなどが評価されたもの。式では今春をめどに基金をNPO法人化し、活動の幅を広げていくことが発表された。

 基金設立のきっかけとなった筋ジストロフィー患者・倉野憲彰さんから届いた祝福の手紙が読み上げられると、壇上の矢野監督は思わず目を潤ませた。

 現役時代から甲子園に「矢野シート」を設けるなど社会貢献活動を展開。2010年に筋ジストロフィー患者、児童養護施設の子どもたちへの応援基金「39矢野基金」を設立した。引退後も活動を続け、電動車いすの支援や寄付など、12年間の総額は4500万円を超える。

 社会貢献活動を意識する“原体験”となったのは、中日時代に児童養護施設を訪れたことだったという。「まだ試合とかにそんな出てないのに、そんな俺でも喜んでもらえたのよね。そういう経験から、将来なにかできたらいいなっていうのを思った」。その後、倉野さんから応援の手紙を受け取り、基金の設立につながった。

 今春をめどに「THANKYOU FUND」の名称でNPO法人を立ち上げることも発表された。よりスピード感を持って活動を進められること、大阪中心の活動を全国に広げていけるようにするためで、法人の代表を矢野監督が務める。

 「例えば額が多くないとやったらダメなのか、自分がやってもと遠慮している選手や、そういう人もいる。一緒に頑張るきっかけにファンドがなればうれしい」とチーム内の選手、裏方に限らず、多くのスポーツ選手の社会貢献活動を始める契機になることを望む。

 表彰式の壇上で指揮官は誓った。「寅年、2022年。阪神タイガースが優勝して、笑顔の輪をどんどん広げていけるように、先頭に立って戦っていきます。今年は勝ちにもこだわって戦っていくシーズンにしていきます!」。社会貢献だけでなく、17年ぶりのVで笑顔の花を咲かせてみせる。

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