【佐藤義則氏の眼】直球を待つ打者に、直球を投げ込める阪神・高橋のすごさ

 「阪神3-0中日」(2日、甲子園球場)

 高橋に尽きる試合だった。本人にとって、完璧と思える投球だったかどうかは不明だが、今の中日相手であれば、申し訳ないが「20イニング投げても『0』を続けられるだろう」と思えるようなピッチングだ。

 前日、好投した同じ左の伊藤将と比較すると、高橋は変化球において、少し曲がりが大きい上、どの球種でもストライクを取れる。そして何より、直球が強い。伊藤将の上を行く、阪神ではもっとも安定した先発投手ではないだろうか。

 今季初戦となった先月9日のヤクルト戦では坂本とバッテリーを組んで4回6失点。走者を出せば変化球、というパターンでの失点だったが、坂本は矢野監督が高橋を起用した意図が分かってなかった。

 魅力は直球の強さ。ピンチで変化球、という配球は求めていない。以降の試合は、梅野が高橋の直球を生かすリードで完璧な投球が続いている。相手打者が直球を待っているところに、あえて直球を投げてファウルを取る。これができれば、あとは何とでもなる。

 それほど、高橋は直球が強い。「直球待ちだから」と、変化球で逃げることをしなければ、ここからも好投を続けることができるはずだ。

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