【中田良弘氏の眼】同点劇呼び込んだ阪神・小川の投球
「阪神6-6巨人」(5日、甲子園球場)
阪神は6点差をはね返し、非常に内容のある引き分けだった。その中でも大きかったのが、七回に4番手で登板した小川の投球だ。2点差に追い上げ、阪神に流れが傾いたところで中軸を三者凡退。直後の同点劇を呼び込んだ。
やはり力のある直球が小川の魅力。これまでは制球力に課題があったが、この試合のようにストライク先行で攻められれば十分に抑えられる。これを積み重ねていけば、懸案だった七回の男に名乗りを上げてくるだろう。
投手陣で一つ心配なのは先発・秋山。初回に3点を失い、二回の好機で代打を送られたが、秋山自身に『信用されていない』と思わせてしまうような交代だった。引き分けで多少は救われただろうが、今後も絶対に必要な戦力だけに影響がないことを願いたい。
ともあれ逆転劇あり、6点差を追いつく引き分けありとチームに勢いをもたらす3連戦だった。残りの巨人戦を見据えれば、相手に嫌なイメージを植え付けられたのは、大きな価値があったと思う。