「阪神２－１０ＤｅＮＡ」（２５日、京セラドーム大阪）

　阪神が大敗。ここまで６勝５敗と奮闘してきた伊藤将だったが、３回５失点とプロ最短での降板となった。本誌評論家・西山秀二氏が、この日の乱調について、意識の問題であることを指摘した。

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　伊藤将と言えば、まずまずの制球があって、ボールの切れも悪くない。新人という意味ではまとまったピッチャーなんだけど、この試合はそれが裏目、というか、序盤に“気付き”があれば違った結果になったのでは、というもったいなさを感じる試合になったね。

　初回、先頭の桑原に、２球目をファウルされた。これはスライダー系で、やや甘いボールを、いい当たりで引っ張られてのファウルになったもの。

　ここで伊藤将は「あっ」と思ったかも知れない。いい当たりだったから。でも感じて欲しいのが「あれがファウルになるんだ」ということなんですよ。だったら、伊藤将の制球力があれば、それ以上に甘くならなければいいだけ。

　ＤｅＮＡは右バッターを並べてきたけど、いくらでもファウルを打たせてカウントを稼げたはず。そこで力んで、ボールが中に集まってしまったから、センター中心に強い打球を打ち返されてしまった。

　ボール気味の変化球を内側に投げて、この日はちょっと浮いていたけど、チェンジアップを外のストライクからボールに落としていけば、右が並ぶ打線も怖くなくなると思いますよ。

　これまでは球の強さで結果を残してこられたけど、そういう目いっぱいの勝負には限界がある。左右、高低を大胆に使う。投球に、冷静な計算を加えることで、より勝てるピッチャーに成長して欲しいと感じました。