【岡田彰布氏の眼】阪神・佐藤輝の構え明らかに変わった グリップ下げミスショット減
阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(63)が23日、後半戦9試合で5番に定着した佐藤輝明内野手(22)の変化を指摘した。構えた際のグリップ位置が肩のラインまで下がったことで、スムーズにボールへコンタクトできていると分析。優勝が懸かる残り50試合、いかに厳しいコースを打つかを考えるべきと説いた。
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後半戦に入って、佐藤輝の構え方が明らかに変わったんよな。キャンプから開幕直後にかけて、構えた際にグリップの位置がヘルメット付近にあったのが、後半戦に入ってからは肩のラインまで下がってきている。宜野座キャンプを見た時に評論でも言ったんやけど、プロのボールに対応しようと考えたら、自然と下がってくるもんなんよな。
メリットの部分を挙げると、打つポイントが一緒だった場合、グリップの位置がボールに近い方がコンタクトしやすくなる。その一方、トップからインパクトするまでの距離が短くなることで、飛距離が落ちてしまうケースもある。
ただ佐藤輝の後半戦のバッティングを見ていると、明らかに飛距離が落ちたとは感じない。やっぱりそれだけのパワーがあるし、ボールに対してバットが上から斜めに入る“カット打ち”が少なくなったように思う。きれいにボールに対してコンタクトできており、ミスショットも減ってきたなという印象だ。
春のキャンプを見た時から、いずれグリップの位置は下がってくるやろうと思っていた。これも本人が前半戦の課題と向き合い、修正した結果やと思うよ。特に今はクリーンアップを打っている立場やから。中軸を打つ以上、甘いボールをホームランにできればいいという低いレベルの考えはやめた方がいい。
そもそも相手バッテリーはクリーンアップに対して、甘いボールを投げてくるか?そして優勝が懸かるこれからの50試合は、もっと厳しいところを攻めてくることが予想されるわな。そう甘いボールは来ないと考えてた上で、どう打っていくかを考えるべきよ。
ただ後半戦9試合を見てても、その対応はできつつあるかなと感じる。前半戦の最後から見ても打率は上がっているし、3打数無安打で迎えた4打席目にヒットが出るようになった。これはバッターにとって非常に大きい1本よ。ボールの見極めもある程度できているし、こういうところをしっかり考えてやってほしいよな。
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