【金本知憲氏の眼】選手個々が非常に効率のいいヒットを打てている阪神
「西武8-9阪神」(30日、メットライフドーム)
今回の3連戦で見ると、阪神からすれば西武の走塁ミスに助けられたところもあった。そういった中で、勝てるところで勝ちきれたことに意味があるし、この日に関しては打ち勝ったという言い方ができると思う。
その中で糸井が二回に打ったホームランは、得意なボールをしっかりと捉えたなという印象だ。バッター有利の2ボールからのフォークを打ったものだが、糸井は元々「半速球」に強いバッター。ボール自体はやや低く、あのカウントから打ちにいく高さではないようにも思えたが、おそらくタイミングの合う得意なボールが来たから、打ちにいったのだろう。
糸井はこの日はスタメンだったが、今の状況を考えると崖っぷちと言えるものだと思う。ただ、前回同様、彼のホームランがチームの勝利につながったということは良かっただろうし、まだまだ頑張ってもらいたい選手でもあるので、限られた出番の中でも結果を残していってもらいたい。
チーム全体に触れると、糸原が離脱している今、スタメンに規定打席に到達している打率3割のバッターがいない状態だ。それでも勝てているのは、選手個々が非常に効率のいいヒットを打てているということでもある。
いらないところ、と言うと語弊もあるかもしれないが、そういった場面でのヒットが少なく、この日4安打した梅野をはじめ、ここぞの場面で打てているところに価値がある。そのことが打線のつながりを生み、今の結果につながっている。