【西山秀二氏の眼】プロのけん制に対応できていない阪神ドラ1佐藤輝
「ヤクルト2-2阪神」(5日、神宮球場)
両チームの捕手の違いが際立った試合だった。ヤクルトの古賀は内角をどんどん攻めてくる配球。ただ、三回に連続四球で2死満塁の状況でもマルテ相手に内角球を要求。甘く入った2球目を右前に運ばれた。若さが出たというところだろう。
一方で梅野は外角でカウントを取り、勝負どころで内角を使う安定感のある配球だった。それだけに五回の失点につながった場面が悔やまれる。先頭のサンタナ、続く古賀とファーストストライクに内角球を選択して連打。打者は真ん中より内側の強く振れるゾーンに最初の意識を置くことが多く、やや不用意な配球となってしまった。
今季の梅野のリードは大きな成長を感じる。だからこそファーストストライクの取り方など、より繊細な配球を心がけてほしい。
攻撃面では七回2死二塁での二走・佐藤輝のけん制死が痛かった。プロのけん制の速さに対応できていないように見える。一つの細かいプレーがチームの勝敗に直結することを意識し、ミスを今後の糧にしてもらいたい。