阪神・チェンが移籍後初勝利 鬼門連敗止めた!初登板で大仕事 古巣相手に6回1失点

 古巣・中日を相手に力投するチェン(撮影・北村雅宏)
 阪神移籍後初勝利のウイニングボールを手に笑顔のチェン(撮影・飯室逸平)
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 「中日2-6阪神」(29日、バンテリンドーム)

 新助っ人が古巣斬りで連敗ストップや!阪神のチェン・ウェイン投手(35)がかつて在籍した中日を相手に6回1失点と好投し、移籍後初登板を白星で飾った。NPBでの勝利は2011年10月2日以来。チームにとっては鬼門のバンテリンドームだったが、左腕にとっては“庭”同然で、同ドームではこの日で通算19勝7敗だ。これで阪神の今季デーゲームは10戦10勝。巨人とのゲーム差も1・5に広がった。

 お立ち台に向かうチェンに敵味方関係なく、両軍のファンから温かい拍手が降り注ぐ。左腕は帽子を取って応え、「とてもうれしく思います。うれしい以外にありません」。古巣相手に挙げた3497日ぶりのNPB勝利。慣れ親しんだバンテリンドームで最高の笑顔が輝いた。

 かつてのような球速こそないが、変化球を駆使し、抜群のテンポで魅了した6回1失点の投球。左腕がハイライトに挙げたのは、二回無死一塁で阿部をチェンジアップで遊ゴロ併殺打に抑えた場面だった。「自分にとって最大のピンチだった。あそこでゲッツーは非常に良かった」と納得の表情をにじませた。

 11年10月2日・阪神戦(甲子園)以来の白星を無四球で飾った。開幕前は「ファンの前で投げたい」という思いが強すぎるあまりリズムを崩して開幕2軍となった。そんな中、支えとなったのは妻の存在。「奥さんにこのボールをプレゼントできれば。ファームにいた時も奥さんの励ましがあって今の自分があるので」と明かした。

 「チェン、元気にやってますかね」-。19年3月21日、東京ドームでのイチロー氏の引退会見で発せられた言葉だ。2人はマーリンズの元同僚。チェンはその言葉を知人から伝え聞いたという。「名前が挙がったことはすごい驚きました。名前を言っていただいたことは特別です」

 イチロー氏を「神」と形容する左腕は妻の誕生日に同氏のフィギュアをプレゼントするほど尊敬している。当時ロッカーも隣同士。話す機会も多かったが、毎日同じルーティンを繰り返す姿に特に感銘を受けたそうで「自分から見ても勉強になりました。その姿勢が一番影響を受けた部分」と常々話している。

 阪神移籍後、チェン自身もルーティンは大切にしている。登板前日は受け手を座らせた投球練習で調整。試合当日の登板前は、キャッチボールなどすべて室内でこなし、準備を整える。登板日を逆算して自分でメニューを組み、毎年ベストの状態を作り上げてきた。

 開幕から約1カ月、虎党に勇姿を見せられた。「ここ(名古屋)で阪神ファンが来て応援してくれたことが自分は幸せ。これから本当によろしくお願いします」と日本語でヒーローインタビューを締めたチェン。日米を席巻してきた左腕の野球人生“第3章”が原点の地で幕を開けた。

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