阪神OB中田良弘氏が梅野を絶賛 チェンを移籍後初勝利に導いた「明確なリード」とは

勝利を収め、阪神・糸井嘉男(左)とハイタッチを交わす阪神 チェン・ウェイン=バンテリンドームナゴヤ(撮影・北村雅宏)
9回阪神、1死二塁、タイムリー三塁打を放ち、激走する阪神・梅野隆太郎=バンテリンドーム(撮影・飯室逸平)
3回、3ランを放った阪神・大山悠輔(3)を迎える阪神・矢野燿大監督(中央右)ら=バンテリンドームナゴヤ(撮影・北村雅宏)
3枚

 「中日2-6阪神」(29日、バンテリンドーム)

 首位阪神がバンテリンドームでの連敗を「7」で止め、貯金を「10」に戻した。移籍後初登板初先発のチェンが6回5安打1失点で日本球界では中日時代の2011年10月2日・阪神戦(甲子園)以来、3497日ぶりの勝利。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は好投を導いた梅野のリードを評価した。

  ◇  ◇

 4番・大山の一発を含む3安打4打点や、NPBで3497日の勝利を挙げたチェンの好投が目立った試合だったが、梅野のリードも連敗ストップには欠かせなかった。

 チームはカード初戦から連敗中。チェンは3連敗できない状況で移籍後初登板初先発を迎えた。全体を見ると球が高い印象があったように、プレッシャーもあったと思う。だが、梅野は明確なリードで左腕の好投を引き出した。

 チェンは中日時代に150キロを超えていた直球が140キロ中盤だった。いろんな球種を使って打ち取る投球になった左腕を、梅野は「外角には緩く、内角には強く」という明確なリードで引っ張った。外角にはカーブやチェンジアップ、内角には直球系。直球を速く見せる配球で中日打線を打ち取っていった。

 ビシエドに対しては、1打席目の初回2死二塁は初球から変化球を続け、2球目の外角スライダーで二飛。四回1死は1ストライクから外角低目のチェンジアップを挟んだ後、内角直球を3球続けて、最後は143キロの内角直球で詰まった右飛に打ち取った。

 チェンは公式戦初コンビで「どういうリードをするのかな」という気持ちもあったと思うが、女房役の配球に応えて大胆に攻められたことが、移籍後初登板初勝利につながったように感じた。

 梅野は3点リードの七回にも、勝利をたぐり寄せる強気なリードを見せた。

 この回から登板した2番手・小林は、先頭のビシエドを遊撃・中野の失策で出塁を許す。続く高橋周は左前打、代打・福留にはストレートの四球。無死満塁で木下拓を迎えた。

 大量失点も覚悟する状況だったが、梅野は思い切ったリードを見せた。球威のある直球と、大きく落ちるフォークが武器の小林に、4球連続でフォークを要求。木下拓を遊ゴロ併殺に仕留めた。

 状況や点差を考えれば、ワンバウンドが暴投になって失点すると、一気に流れが変わりかねない。だが、梅野はワンバウンドなら絶対止めるという自信があっての配球だろうし、フォークを武器とする小林に攻める姿勢を見せて背中を大きく押した。

 投球で応えたチェンも小林も素晴らしいが、梅野のリードが光った試合だった。(デイリースポーツ評論家)

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス