阪神・近本 上昇気配!今季初マルチ 二盗&絶妙セーフティー魅せた!

 2回、中前に勝ち越しの2点打を放つ近本
 2回、二盗を決める近本
 2回、勝ち越し適時打を放った近本はベンチへ手を振る
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 「阪神3-6中日」(2日、京セラドーム大阪)

 完璧に捉えなくてもいい。折れたバットが鈍い音を奏でた。白球の行方を見つめながら阪神・近本光司外野手が願う。落ちてくれ-。二塁手・高松のグラブの上を越えた瞬間、湧き起こる大歓声。走者を生還させることができれば、どんな形でもよかった。

 1点を追う二回だ。木浪が左翼線に同点となる適時二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。一気に高まる逆転のムード。2死二、三塁と一打勝ち越しの場面で近本に打席が巡ってきた。

 1ストライクからの2球目、福谷が投じた内角への直球に反応。「早い回に勝ち越しておきたかったので、いい所に落ちてくれてよかった」。詰まらされながらも、力強くバットを振り抜き、中前に運んだ。今季初打点となる勝ち越しの2点適時打。粘り強く投げる同学年の藤浪を援護した。

 開幕から低迷していた打撃も、復調気配を漂わせる。七回1死一塁の場面では小技も披露した。鈴木の149キロツーシームに、コツンとバットを合わせたセーフティーバント。絶妙に勢いを殺して、三塁側へ。高橋周が捕球し、素早く一塁へ送球したが間に合わず。内野安打となり今季初のマルチ安打を記録した。

 昨季も開幕から大不振が続いたが、終わってみれば打率・293まで盛り返した。結果で示した修正能力の高さ。それだけに、矢野監督も「練習でも、すごい悪いとかそういう感じじゃないから」と心配していない。1日の広島戦で20打席ぶりに安打を放った際には「明日以降、近本の流れって絶対に来ると思う」と早期復調を信じていた。

 2番・糸原が好調なだけに、近本が機能すれば、得点能力も増大する。試合には敗れたが、ようやく本来の姿を取り戻しつつある切り込み隊長。猛虎打線を活性化させるためにも、完全復活をみんなが待っている。

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