阪神・矢野監督「早く壁にぶち当たれ」 新人合同自主トレ初日ルーキーに異例の訓示

 阪神・矢野燿大監督(52)が9日、新人合同自主トレ初日を迎えた鳴尾浜を訪れ、ルーキー9選手を前に「早く壁にぶち当たれ」と異例の訓示をした。その言葉通り、高卒のドラフト7位・高寺と育成1位・岩田将を除く新人7選手を1軍宜野座キャンプに帯同させる方針を示し、プロの壁を体感させる。

 自身がプロ入りしたちょうど30年前のことを思い出しながら、金の卵に向けて言葉を投げかけた。「緊張してる?俺もみんなと多分同じような気持ちだったと思う」。そう切り出した矢野監督が続けた言葉は、自らの体験も含めた“深イイ”内容だった。

 「今持っている力を発揮して、それでうまくいくのが一番いいことかもしれん。でも、俺としては早く壁にぶち当たってほしい」

 壁にぶつかり、それを乗り越えようと努力することが、さらなる成長につながる。そんな思いだけでなく、心の準備をしておいてほしいという親心も言葉に詰めた。

 「みんな壁にぶつかって、悩んだり苦しんだりすることが絶対にある。それを早めにちょっと“予防接種”じゃないけどさ。現在地を知るというところでは、そういう壁があるよということも言った方がいいのかなと」

 その言葉通り、いきなりルーキーには現在地を把握させる。高卒のドラフト7位・高寺、昨夏にトミー・ジョン手術を受けた育成1位の岩田将を除く7選手を1軍宜野座キャンプに連れて行く方針を明かした。

 もちろん、即戦力として獲得した彼らを自分の目で見て、実力を判断する意味合いもある。だが、ここにも指揮官は各人の成長につなげてほしいという思いを込めている。

 「自分のチーム、練習試合で当たる他チームの選手も1軍のレベルというのを肌で感じたり、実感できることの方が成長が早いのかなっていうところで連れて行きたい」

 第1クールからシート打撃などの実戦形式の練習が行われ、2月9日は日本ハムとの今年初の対外試合が行われる。「早くユニホームを着てプレーする姿を見たい。今持っている力で思いっきりぶつかってほしい」。金の卵たちが躍動する姿を待ちわびている。

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