藤田平氏 阪神は戦う前から甘く見られていた

 阪神は今季も悲願の優勝には手が届かなかった。チーム成績は2位ながら、巨人には8勝16敗と大きく負け越し、7・5ゲーム差の独走Vを許した。宿敵を上回るには、どこに課題があるのか。優勝へのカギは何か。監督経験者らレジェンドOBが分析する。第2回は藤田平氏の声。

  ◇  ◇

 戦う前から甘く見られているように映った。戦力、戦術、技術の前に巨人側から『自分たちは相手より厳しい練習をしてきてる。それで負けてどうする』といった空気を感じさせられた。

 開幕前から“駆け引き”は始まっている。シーズン前、例えば春季キャンプから優位に立つことを考えるのも大切。キャンプには巨人をはじめ、他球団のスコアラーが視察に来る。『練習が厳しい。例年と違う』と思わせるのも手。巨人に余裕を与えず、意識を向けさせることも大事だ。

 最近では野村監督、星野監督、岡田監督が就任した時に“チームが変わる”という雰囲気になった。特に星野監督は厳しいイメージもあり『チームが引き締まる』、岡田監督は『何を仕掛けてくるんだ』と、シーズン前から他球団を警戒させた。開幕前からの“心理戦”もシーズンを優位に戦うための戦術だ。

 阪神は人気球団で、どの試合も客席が埋まる。今の選手は満員のお客さんの前で試合することに慣れているだろう。昔に比べれば巨人戦に対する意識は、多少の違いがあるかもしれない。

 われわれの時は5万4000人という満員のお客さんの前で試合をやれたのは巨人戦だけだった。甲子園の客席もセンターから左が巨人ファン、右が阪神ファンといった具合にきれいに分かれた。

 だから空気も独特。他球団との試合の時より、ファンから『一緒に戦う』といった“熱”が伝わってきて燃えてくるものがあった。

 一方、今年で9年連続で巨人戦を負け越した。他の4球団に勝ち越しても、巨人戦の勝敗数を、せめて5割にしなければ優勝は望めない。シーズン前から戦いは始まっている。(デイリースポーツ評論家)

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