田中秀太氏、失策減らす 阪神2軍内野守備走塁コーチ就任「厳しく、前を向いてやる」

 オレの二の舞いにはさせない。阪神の来季2軍内野守備走塁コーチに就任した田中秀太氏(43)=前アマスカウト=が13日、西宮市の球団事務所で会見した。谷本修球団本部長から「秀太事件」をいじられ、思わず苦笑したが、その時の経験を生かし、若虎に守備の極意を注入する覚悟。2年連続12球団ワーストになる可能性が濃厚の失策数を減らすため、新コーチとして尽力する。背番号は70。

 12年ぶりにタテジマのユニホームに袖を通すことになった田中新コーチ。2軍内野守備走塁担当としての再出発に「タイガースのユニホームをまた着られるのは非常に光栄なことだと思っています」と凛(りん)とした表情を見せたのだが…。同席した谷本本部長が虎党の間では伝説の“秀太事件”を持ち出すと、その表情は一変した。

 「1軍に目を向けますと、控えの内野手のレベルは本当にもう少しということですね。ピッチャーにグラブを投げ付けられるくらいの、と思われるくらいの危機的なレベルにあると思います。田中君も選手時代はそういった苦い経験もしている。苦い経験をしたからこそ伝えられることもあると思っています」

 “苦い経験”-。それは2007年10月1日・横浜戦(横浜)だった。遊撃の秀太(当時の登録名)はエラーや、置きに行ったプレーで併殺崩れにしてしまうなど拙守を連発。マウンドの下柳は堪忍袋の緒が切れ、2度グラブを叩き付けた。田中コーチにとって忘れられない苦い記憶だが、その失敗を経験したからこそ、選手に伝えられるものがある。

 今季12球団ワーストになることが確定的な、85失策を記録したチームを立て直したい。求められる役割は明確だ。「実際に数が12球団ワーストということですから、今まで以上に厳しくやらないといけない。これ以上悪くなることはないので、前を向いてやるしかない」と語気を強めた。

 就任要請はアマスカウトとして九州にいた時に、矢野監督から直接電話を受けたという。「一生懸命、愛情を持って厳しくやってくれ」。指揮官の熱い思いを感じ取った田中コーチは「お願いします」と快諾した。

 11年間、九州を中心にアマスカウトとして活動。正捕手となった梅野や成長株の小幡らの素質を見抜いてきた。アマ球界から学んだことを、阪神で還元する時が来た。

 「一人一人、タイプを見極めてやるのが大事かなと思います。優勝に貢献できるように頑張ります。厳しくやって、強いチームを作れるピースになれるように頑張りたい」。一人でも多く鳴尾浜から巣立つために-。厳しくかつ愛情ある指導で、名手を誕生させる。

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