【藤田平氏の眼】阪神の勝因は反対方向への安打
「ヤクルト4-7阪神」(21日、神宮球場)
36イニング連続無得点でこの試合を迎えた阪神打線だけど、3試合連続完封負けを喫した巨人戦の時のような強引さや硬さがなかったのが良かった。
初回の近本、先制点を呼んだ二回の大山、三回のボーアの本塁打。いずれも反対方向を意識した打球だった。相手先発の吉田喜が、巨人の菅野や戸郷ほどの球威がなかったことも理由の一つかもしれないが、7月の試合で20点を取って勝ったという心理的な部分もあったように思う。
引っ張りすぎると調子やスイングが崩れるのは昔から一緒。反対方向へ打つことこそが、率を上げていく近道。広島・鈴木誠、ヤクルト・村上、DeNA・佐野。率を残してる打者は力任せの打撃ではなく、反対方向への安打も多いからね。チームとして本物にしていくかどうかは、22日の試合でも同じ打撃ができるかどうかだから、本当に大事にしてもらいたい。
2年ぶりの勝利を挙げた藤浪だけど、この試合の中でもいい投げ方と悪い投げ方がはっきりしている。悪い時は横投げになって制球を乱していたし、打者からすれば長くボールを見られるから捉えやすくなっていた。ただ、この勝利は心の重荷を取り除くものになったと思うし、これで乗っていってもらいたい。
関連ニュース





