阪神 残塁の山…今季ワースト13 20点以上の翌日は4連敗、2位浮上ならず
「ヤクルト3-1阪神」(29日、神宮球場)
今季初の2位浮上はならなかった。阪神は前夜に今季最多18安打20得点と大爆発した打線が一転、5安打1得点とつながりを欠いた。初回に幸先良く1点を先制したが、2度の満塁機を逃すなど今季ワースト13残塁の拙攻が響いた。それでもまだ貯金1。きょう30日のヤクルト戦はきっちり勝って、2カード連続の勝ち越しを決める。
2点を追う九回2死二塁。前日に満塁弾を放ったボーアが打席に立った。同点弾を願う左翼席では手拍子がヒートアップ。しかし、願いは届かない。捕邪飛でゲームセット。今季初の2位浮上を逃した。
打ち疲れなのか。「野球界あるある」なのか。2本の満塁弾を含む18安打20得点で大勝した前夜から一転、2度の1死満塁から1点も奪えず、5安打で得点は“スミ1”。これで20点以上奪って大勝した次の試合は4連敗。矢野監督は、祭りの後の静けさとなった敗戦を淡々と振り返った。
「そこに尽きるんじゃない。昨日の逆というか、1本が出ないというのが今日の敗因」。今季はなぜか水曜日だけ勝ち星がなく、5試合で4敗1分け。阪神ファンにとっては、“ウエ~ンズデー”となった。
滑り出しは良かった。初回1死一、三塁は大山の適時内野安打で先制。ボーアが右前打で続き、1死満塁とした。勢いを感じる攻撃で前夜の再現が期待されたが、決定打を欠いた。
梅野と木浪が連続空振り三振。浮き足立つヤクルト先発・原を立ち直らせ、5回1失点の好投を許した。
六回には2番手・梅野を攻め、再び1死満塁とした。しかし、3番手・長谷川に対して近本が浅い左飛に倒れ、糸井が空振り三振。今季ワーストの13残塁で、連勝は2でストップした。
今後に不安も残した。糸井は6月終了時点の打率・333が、同・250まで急降下。体が万全ではないとはいえ、7月は月間打率・200、0本塁打、6打点と苦しい状況が続いている。矢野監督が2試合連続2番で起用している攻撃のキーマン。一日も早い復調が待たれる。
それでも今季は全員野球で、借金8から貯金生活まで挽回した。主力の不調は全員でカバーするしかない。
30日・ヤクルト戦は藤浪が今季2度目の先発マウンドに立つ。矢野監督は「(敗戦を)引きずって野球やることはないし。晋太郎(藤浪)も気持ち良く向かっていってくれたらと思います」。蓄積した鬱憤(うっぷん)は、結果で晴らす。