阪神・球児が4年ぶりサヨナラ被弾 暗黒98年以来の開幕6戦1勝5敗

 9回2死一、二塁、西浦にサヨナラ3ランを浴び、マウンドに座り込む藤川
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 「ヤクルト3-1阪神」(25日、神宮球場)

 もう、あと1人やったんよ…。阪神は1点リードの九回2死一、二塁から、藤川球児投手(39)が痛恨の逆転サヨナラ3ランを浴び、2カード連続の負け越しとなった。絶対的守護神が4年ぶりの一発を浴びたこの日は、くしくも1959年に村山実が巨人・長嶋茂雄に天覧試合でサヨナラ弾を浴びた因縁の一日だ。開幕2カードで1勝5敗は98年以来、22年ぶりの屈辱。もうあの時代には戻りたないんや!!

 その瞬間、思わずマウンドでうずくまった。本塁付近で沸きに沸くヤクルトナインを横目に、三塁側ファウルラインをまたいだ藤川はベンチに戻らず、独りクラブハウスへ続く通路へと消えた。

 まさかの大暗転だった。先発・秋山の力投に、七回の大ピンチをしのいだ岩崎の熱投もあった。必死につないできたゼロのバトン。あとは九回を守護神・球児が締め、鉄壁の完封勝利を待つだけだった。

 勝利まであと1人の2死一、二塁。代打・西浦に渾身(こんしん)の高め直球を完璧に捉えられた。夜空に舞い上がった打球が無人の左翼席で衝撃音とともに弾む。悪夢の逆転サヨナラ3ラン。自身4年ぶり通算5本目、ヤクルト戦では初となる“サヨナラ悲弾”に、「チーム全体でゲームをつくって、あと1アウトのところまでいって…勝ちたかった」と唇をかみしめた。

 61年前の同じ6月25日に起こった悪夢の再現となってしまった。プロ野球史上唯一の天覧試合で行われた後楽園での巨人戦。ルーキー・村山実が同点の九回、長嶋にサヨナラ弾を浴びたのが1959年のこの日だった。

 痛すぎる敗戦により、矢野阪神は開幕6試合で1勝5敗。最下位に終わった98年以来、22年ぶりで、開幕2カード連続負け越しも7年ぶりの屈辱だ。

 「もちろん、あのまま最後は球児に任せるというところで、この負けは仕方がない。打線が点を取れないというのが苦しいよな」。三回から五回まで毎回先頭打者を出しながら、1点も奪えなかった。この日も梅野のソロ本塁打1点のみで、6試合でわずか10得点の貧打に指揮官はため息を漏らす。

 今日からは昨季16勝8敗1分けと大きく勝ち越したDeNAが相手だ。球児が「悔しいし、絶対にやり返します」と必死に前を向けば、指揮官も「始まったばっかり。何とか流れを変えにいきます」と力強く言い切った。

 まさかの“死のロード”発進となってしまった矢野阪神。「逆境の時こそ楽しく」のチームモットーを体現し、逆襲への道を歩むしかない。

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