【岡田彰布氏の眼】阪神・西勇は七回も続投させるべきだった
「巨人3-2阪神」(19日、東京ドーム)
開幕投手を任された阪神・西勇は、すごく気合を感じられるピッチングだったし、打つ方も見事だった。だからこそ、好機で打席が巡ってきたわけでもないのに六回終了時で交代させ、七回から継投に入ったタイミング、人選に疑問が残る。
西勇の姿を見ていると、巨人・菅野に勝ちたいという思いがひしひしと伝わってきた。移籍後初めて開幕投手を任され、よく頑張っていた。“西デー”と断言できる内容。これで投げ勝てば自信になるし、今後に向けて一皮むける要素になっていた。
球数も六回終了時で97球。菅野が107球で7回を投げており、開幕投手を任せたのであれば七回も続投させるべきだろう。加えて2番手が岩崎だったことにも疑問符がつく。コンディション不良で6月の1軍練習試合では1試合しか投げていない投手。一番大事な試合と位置付けたビジターの開幕戦で、1点リードの七回に起用するのはやはり厳しい。
どんなに経験がある投手でも、開幕の入り方というのは難しい。そのリスクと、この日の西勇の内容を比較すれば、どちらがベストの選択だったと言えるだろうか-。
今後に向けて西勇、岩崎の両者に不安を残す形となり、一方で無安打だった吉川尚、坂本にもヒットを打たせてしまった。これは20日の第2戦にも響いてくるだろう。