球団に鳴尾浜に甲子園に…阪神コロナ直撃ドキュメント

 鳴尾浜のプレスルームを消毒する作業員ら
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 阪神は26日、藤浪晋太郎投手(25)のPCR検査実施が決まり、終日対応に追われた。鳴尾浜球場で行われる予定だったソフトバンク戦との2軍練習試合は中止。練習は途中で切り上げられ、選手は4月1日まで自宅待機を命じられた。甲子園や鳴尾浜の施設には消毒作業が入るなど、全世界的に感染が拡大する新型コロナウイルスの恐怖を目の当たりにした。

 晴れ渡った空とは裏腹に、鳴尾浜には午前中から暗雲が垂れ込めていた。練習試合に先発予定だった飯田が球場に現れず、コーチ陣は「何も言えないです」と口を閉ざす。疑念が生じ始める中、10時15分に試合前練習は突然終了となった。フリー打撃の真っただ中。ナイン、首脳陣は険しい表情でグラウンドから引き揚げ、両手で×マークを作る選手もいた。

 異様な雰囲気の中、ソフトバンクのバスは10時43分に到着した。1軍クラスの周東、上林、リチャード、そして元阪神・松田遼の姿もあった。すでに1軍練習試合を休止していたパ・リーグ球団にとっては貴重な実戦機会だったが、予期せぬタイミングで“コロナ余波”が直撃。練習へ向かうソフトバンクナインにもカメラのシャッターがきられ、戸惑いを隠せない選手もいた。

 正午、球団から藤浪のPCR検査の実施が発表された。午前中から「大物」とうわさされていたが、藤浪だけに衝撃は大きかった。検査前とはいえ、ショッキングなニュース。阪神だけでなく、球界、日本中が驚きを持って受け止めた。鳴尾浜では新田広報課長が報道陣に対応し、甲子園の駐車場では谷本球団本部長が説明した。前代未聞の事態に、球団は終日対応に追われた。

 ソフトバンクの練習中、阪神ナインは続々と帰路に就いた。球団からの自宅待機指令。2軍は27日から由宇で広島3連戦の予定で、本来なら試合後に移動するはずだったが、寮に住むルーキーら若手選手はホテルへ移動。こんな時でも平田2軍監督は「ご苦労さん!」と報道陣をねぎらったが、トレードマークの笑顔は消えていた。

 物々しい空気は午後も続いた。午後3時、午前中に甲子園クラブハウス、球団事務所の消毒を終えた作業員が鳴尾浜に到着。テレビ局のカメラが待ち受け、さらに男性アナウンサーがリポートする中、完全防御の作業服で任務に当たった。午後3時23分、報道陣は退去を命じられたが、選手のいない鳴尾浜には、消毒作業の音が響き渡っていた。

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