阪神・藤浪 開幕ローテ入りへ足踏み 直球打ち込まれ3回5安打1失点
「2軍練習試合、オリックス2-0阪神」(18日、オセアンバファローズスタジアム舞洲)
阪神・藤浪晋太郎投手(25)が開幕ローテ入りへ足踏みした。18日、オセアンBSで行われた2軍練習試合・オリックス戦に救援登板したが、直球の精彩を欠き、3回5安打1失点。シーズンで長いイニングを投げるために掲げた「力感をなくす」というテーマは次回へ持ち越しとなった。開幕が不透明な中、新たな課題を克服して再出発を図る。
開幕ローテを視界に捉え始めていただけに何とも歯がゆい。最速は157キロ。球場スピードガンでは常時150キロ前後を計測した直球が不思議とオリックス2軍打線の餌食に。無観客のスタジアムに快音がこだまし、試合後の藤浪は渋い顔だ。
「力感なくいきたかったところですけど。感触としては悪くなかったんですけど、あれだけちょっと真っすぐをはじき返されたところがあったので…」
1点ビハインドの六回、3番手でマウンドに立った。立ち上がり先頭の代打・西野に四球を与えると、4番杉本に151キロを右前へ運ばれた(結果はライトゴロ)。その後、1死二塁となり、育成・大下に中前適時打を献上。さらに育成・佐藤優の打球も右前へ。いずれも150キロ前後の直球を狙い打たれた。
「(直球の質は)すごい悪いとは思わなかった。力感をなくして、余計な力をなくしてというところで、バッターとの距離を詰められなかったり。間というか、リズム的に1、2、3と単調になったのかなと思います」
七回以降も走者を背負いながら結果は3回5安打1失点。大崩れすることなく最少失点で踏みとどまったが、「(八回のピンチでは)江越さんのファインプレーもありましたし」と内容には不満顔だった。
前回11日ヤクルトとのオープン戦(神宮)は4回2安打無失点。復活の兆しを示した一方で「力みっぱなしだった」と反省。シーズンで長いイニングを投げるため、この日は「力感をなくすこと」を意識したが、結果的には開幕ローテへ足踏みとなった。
視察に訪れた矢野監督は「しっかり捉えられてる打球も多かったし。いいフォークとかね、そういうボールもあったんで」と指摘。開幕が不透明な中で、「今日だけで判断するつもりは別にない」と今後も先発ローテ争いは続く見方を示した。
「力感をなくしつつ、ファウルを取れたり一つ間を取ってバッターを詰まらせたりできたらと」と藤浪。新たな課題を持てるのは前進している証しでもある。旺盛な向上心と共に、復活の階段を駆け上がっていく。