【コーチに聞く・筒井外野守備走塁コーチ】積極走塁「行く姿勢見せることが大事」

 積極的に走る姿勢は着実に浸透してきた。筒井外野守備走塁コーチ(45)が収穫として挙げたのは、今季セ・リーグ最多の100個を記録した盗塁だった。

 「個人的な目標としてチーム盗塁数が3桁いけたらすごいなと思っていたので。実際、100ギリギリだったんですけど。選手がよく頑張ってくれた」

 今季、得点数はリーグ最下位で本塁打もリーグ5位。得点力不足が課題だったが、機動力で3位躍進を支えた。盗塁王のタイトルを獲得した近本が36盗塁。さらに梅野が14盗塁、植田が12盗塁など、勝負どころでのスチールが勝敗を分けたシーンも目立った。

 積極的な走塁は矢野監督が2軍監督時代から取り組んできたものだ。昨季のファームは163盗塁でウエスタンの新記録を樹立。その偉業を筒井コーチも2軍守備走塁コーチとして支えた。「矢野監督は『(1軍でも)ああいう野球でいきたい』とおっしゃっていて。それを求めながら今年は取り組ませてもらった。最高ではないですけど、いい結果は出たと思う」と確かな手応えを感じた。

 成功率も・735と高水準。同コーチは「100盗塁で7割超えなら優秀。あえて言えば、近本の成功率(・706)がもう少し上がってくれれば、チームの成功率も上がる。梅野、高山にしても高い成功率を残してくれているので」と分析する。

 「こうやった方が少しでも速くなるよというか。こうした方が、もっともっと先の塁に進みやすいんじゃないかとか。気づいたことは指摘するようにしていたし。細かい、ちょっとしたことでも言ってあげるようにしてましたね」

 秋季キャンプではさらに磨きをかけた。走塁練習には野手だけでなく、投手も参加。走路に一本線を引いて、最短距離で走ることを意識させたり、タイムも計測した。また、近本、植田、熊谷ら“足のスペシャリスト”として期待する選手には個別でスライディング練習を課すなど、工夫満載の練習を行った。

 どん欲に先の塁を狙う姿勢は相手にプレッシャーをかけ、チームの士気も高める。「盗塁を重ねることで向こうも走られたくないという気持ちが出てくる。その中で『打者に対して10割の気持ちで投手を向かわせない』という意味もある。そういったことも含めて、偽走とか、行けるところは行くという姿勢を見せることが大事」と力を込める。

 来季、最低基準とするのは今季記録した100盗塁。15年ぶりのリーグ優勝へ、機動力強化に全力を尽くす。

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