福留の意地 満身創痍の強行出場で巨人・山口からチーム初安打!

 「セCSファイナルS・第1戦、巨人5-2阪神」(9日、東京ドーム)

 手負いの体なのかと疑いたくなる打球だった。CSファーストSで2戦連続死球を受けた阪神・福留が強行出場で意地の一撃。序盤のリードを巻き返すことはできなかったものの、満身創痍(そうい)の大黒柱が、頼もしいフルスイングを見せた。

 5点を追う四回2死だ。ここまで無安打に抑え込まれていた相手先発・山口からベテランのバットが快音を奏でた。1ボールからの2球目、真ん中付近に甘く入ったスライダーを強振。鋭い打球は右前に運ばれた。

 この試合チーム初安打に後続も奮起。マルテが右前打をマークし、糸原は四球を選んで2死満塁。大黒柱の一打でリズムを崩した山口。すると高山の5球目、決め球のフォークがワンバウンドに。捕手・小林が後逸した間に三走・福留が全力疾走でホームを駆け抜けた。

 6日のファーストS第2戦は右肘、7日の第3戦は左足親指に死球を受けた。この日、首脳陣は直前まで状態を見極めていた。打撃練習では患部の状態を入念に確認。結局体にむち打ち出場し、痛みを押して最後までグラウンドに立った。

 戦力としてだけでなく、精神的な支えとしてもチームにとって欠かせない存在である福留。清水ヘッドコーチは「孝介の代わりはいないし、足の状態次第ですけど、頑張ってもらうしかない」と負けられない短期決戦だけに、今後の出場を懇願した。

 チームは好機で決定打を欠き、敗戦。だが下を向いている暇はない。3位からはい上がりつかんだCSファイナルS。「これで負けが決まったわけじゃないし。1敗が2敗、3敗になるわけではないので。またあした、みんなで戦っていけばいい」と福留。CS突破、日本シリーズへ。猛虎打線をけん引する男はどんなことがあっても、自ら足を止めることはない。

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