矢野虎 3夜連続逆転劇どころかスミ1負け…若竜に今季3人目のプロ初星献上
「中日5-1阪神」(12日、ナゴヤドーム)
またかというか情けない…。連勝の勢いで敵地に乗り込んだ猛虎打線が、中日の投手に今年3人目のプロ初勝利を献上した。プロ初登板の先発・梅津に、6回でわずか4安打。1点しか奪えず、完敗を喫した。中日の3人を含めプロ初勝利を記録されたのは今年5人目。ピチピチの若さに弱いのか、人がいいのか。5位・中日と2ゲーム差。CSどころか尻に火が付いた。
またしても惨劇が繰り返された。祝福ムードの一塁ベンチを背に、阪神ナインはうつむいてロッカーへ戻った。新人の梅津に今季5人目となるプロ初勝利献上。矢野監督は険しい表情を崩さず、もどかしい心境を口にした。
「(攻略が)難しい…、それを言い訳にしてもね。いつも言うように、難しいピッチャーから点を取っていかないとあかんし。ルーキーの初登板でしょ?そういうピッチャーを崩せないから、難しいって言うわけにはいかないと思うんで」
中日ドラフト2位・梅津はプロ初登板初先発。制球が乱れ、硬さが見えた初回に1点を先制した。しかし、ガルシアが初回にあっさり逆転を許すと、二回は大山、高山、坂本が3者連続三振。新人を勢い付かせた。
二回以降は二塁すら踏めない。6回4安打1失点で7三振。浜中打撃コーチは「2軍戦で対戦している陽川、木浪の情報をもらって対策を立てていたけど、まっすぐに力負けした」とお手上げ。指揮官も「コーナーにしっかりまっすぐ投げられていた。力もあるしね。二回以降からはいいボールが来ているな、という感じには見えたけど」。さい配を振るう場面も少なく、試合時間は今季3番目に短い2時間30分。淡々とした試合を、首をかしげながら振り返った。
中日戦が鬼門となりつつある。中日投手に初勝利を許すのは5月12日の清水、7月31日の山本に続き、梅津で3人目だ。若く勢いがある投手に対して、受け身になるような展開が続いている。矢野監督は「うちだけがそういうふうになっているのか、ちょっと分からんけど。そういうことはなくしていくようにしていきます」。今まで以上に対策を講じる必要性を口にした。
チームは6月29日からビジターの中日戦6連敗で、対戦成績は6勝12敗で6つも負け越している。ナゴヤドームでも5連敗だ。3位・広島を追うはずが、5位・中日に2ゲーム差まで迫られた。ポストシーズン進出へ向けて、早急に“竜アレルギー”を払拭(ふっしょく)しなければならない。