北條 殊勲の勝ち越しタイムリー!激走原口に「今日だけは早かった」

 6回、勝ち越し二塁打を放ちガッツポーズする北條。左は二塁手・山田哲
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 「ヤクルト3-5阪神」(8日、神宮球場)

 あふれんばかりの大歓声が、ヒーローの証しだった。3タテ阻止の立役者は阪神の北條史也。爆笑のヒーローインタビューが、何度も、何度もファンを笑顔にする。「僕より足はそんなに速くないと思うので。でも今日だけは速かったです」。激走を見せた先輩・原口へ。最高の結果に、いたずらっぽく笑った。

 仲間がつないで、気持ちで回ってきた打席だった。執念を見せたのは六回。同点に追いつくと、仲間の思いをつなぎたかった。「甘い球がきたら絶対にいったろう」。2死一塁。その初球だった。131キロのチェンジアップをフルスイングで捉えると、白球は大歓声に後押しされるかのように左中間へ。一走・原口の激走もあり、勝ち越しに成功した。

 悔しかった。でも、ベンチでうつむく時間はなかった。7日のヤクルト戦は、相手投手が左腕・石川。5試合ぶりの先発出場の期待に応えたかったが、2打席凡退し、無念の途中交代。「左で出してもらったのに…」。やり返したい思いは、人一倍強かった。

 帰る際には、ネット越しに名前を呼ばれ続けた。ありがとう、ありがとう-。思いを込めて、北條も手を上げる。9日から京セラドームで広島戦。「出場したらまたヒーローインタビューができるように。京セラはホームなので、いつも通り関西弁で行きます!!」。敵地で喜んでくれたファンへ。笑顔で約束した。

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