岩貞、27歳バースデーにやっとプロ初鯉倒 18度目の正直

 「広島3-11阪神」(5日、マツダスタジアム)

 試合終了の瞬間、表情が一気に緩んだ。18度目の挑戦で初めて広島戦で勝利を挙げた阪神・岩貞。待望の白星にうれしさが込み上げる。バースデー星は自分への最高のプレゼントとなった。

 「チームは勝っていたので、嫌な印象はなかった。うれしいの一言です」

 必死に踏ん張った。隙を見せれば、攻め込んでくる広島打線。4点リードの初回、2死一塁から鈴木に真ん中付近に甘くなった直球を左中間席へ運ばれた。だが、流れは渡さず。後続を抑え込んだ。

 尻上がりに調子を上げた。二回から四回まで「0」を並べ、集中力をさらに高めたのは五回。連打で無死一、二塁のピンチを背負った。ここで会沢を三ゴロ併殺打に打ち取ると、2死二塁からは代打・新井を外角寄りの144キロ真っすぐで空振り三振に仕留め、無失点で切り抜けた。

 3点リードの六回には、丸にソロを被弾した。しかし、我慢強く投げ抜いて7回7安打3失点と踏ん張った。

 勝利のために常に向上心を持って取り組む。原点となっているのが横浜商大での4年間だ。今年6月に今秋限りでの勇退を表明した恩師・佐々木正雄監督の教えが、今も生きている。

 「監督から大学の時に『今のままではダメだ、満足するな』ということをよく言われていました。野球に対する姿勢だけでなく、生活態度など社会人としてのことも教えてもらいました。それがあったからこそ今、プロでやれている自分があると思います」。その心構えが、マウンドでの冷静な姿勢を生み出している。

 27歳の誕生日。家族や友人からも祝福のメッセージが届いた。「若い部類ではない。チームの信頼を固いものにしないといけない」。まだまだこれから。ファン、チームとともに白星を重ねていく。

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