大山、101代目4番で先制タイムリー 阪神新人53年ぶり大抜てきに即答

 「阪神5-3中日」(1日、甲子園球場)

 結果で応えたい相手がいた。本拠地で歓声を浴びることができる喜び、そして、その喜びは感謝へとつながる-。その真っすぐな気持ちが阪神・大山を強く、美しく輝かせる。

 53年ぶりとなる“新人4番”の大抜てき。そんな監督の思い、コーチの思い、そして虎党の願いに応えないわけにはいかなかった。「チームが勝ててよかった、貢献できてよかった」。笑みがこぼれることはなかった試合後。それでも22歳の若虎は、4万2157人の大観衆の前で役割を果たしたのだ。

 無得点で迎えた三回だった。2死から上本、糸井が連続で四球を選び一、二塁。ここで打席には、4番・大山が向かう。快音が響いたのは、3ボールで迎えた4球目だった。鋭いスイングではじき返すと、打球は勢いよく左翼線へ。

 「思い切っていった結果です」。二塁から上本が一気に生還。二塁ベース上の大山は、息をきらしていた。重圧の中での第2打席。初めての4番で、大きな仕事を果たした瞬間だった。

 第101代。これまで金本監督や掛布2軍監督ら、名高いスラッガーが座ってきた重み。4番起用について金本監督は、こう説明した。「そこは片岡コーチが勇気を持ってきたから、こっちも勇気を持たないと」。片岡打撃コーチは「一番振れているし、初めてという打席での姿ではなかった」とたくましい姿に目を細めた。

 首脳陣の勇気ある起用。それに見事応えてみせた。「片岡さんには打席に向かうときとか、本当にいろいろ声をかけてもらっている」と感謝だ。八回には、中谷の逆転2ランを呼ぶ四球を選んだ。この選球眼、そしてルーキーとは思えない思い切りのよさ。ドラ1の魅力を見てくれたか、虎党よ。4番・大山が、黄色で沸く聖地で誕生したその瞬間を。

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