中谷、虎トップ9号先制2ラン 九回2死から劇勝も呼ん打!

 「阪神7-6巨人」(9日、甲子園球場)

 バットを放り投げながら自らの弾道に視線を送った。客席に着弾したことを確認すると、ダイヤモンドを回りながら何かを叫び両手をたたく。阪神・中谷が宿敵・巨人に浴びせた先制パンチ。チームトップとなる9号2ランが猛虎を劇勝へ誘った。

 会心だった。気持ちのよい渾身(こんしん)のスイングが試合を動かす。三回2死一塁。敵の先発・山口俊が1ストライクから投じてきた2球目の高め直球を振り抜いた。左翼ポール際に吸い込まれた先制2ランは、自身にとって聖地での巨人戦初アーチとなった。

 同じ手は食わない。脳裏に残像として残っていたのは初回1死満塁で喫した空振り三振。「絞っていたというわけではないんですけど、(直球で)やられていたので。同じ失敗をしないように」。追い込まれてからの高めの150キロ直球にバットは空を切った。好機で打てなかった前打席の反省を踏まえての一発だった。

 ゲーム中での“思考の転換”に金本監督も成長を感じ取る。「初回の三振を引きずらなかった?なかったのかなと。いい意味で切り替えというのは1年間やっていく中でプロ野球選手は大事ですから」。中谷の打棒に指揮官の言葉も弾んだ。

 一発だけでは終われない。同点に追い付かれて迎えた九回2死からは左前打。「勝ちにつながるバッティングができてよかったです。どうなるか分からない展開でしたし」。その後、糸原のサヨナラ打で勝ち越しのホームを踏み、歓喜の輪に加わった。

 開幕1軍の座を手に入れてから鍛錬を重ねてきた日々。「(1軍には)しがみついてでも。結果だけでなく内容も大事な立場ですので」。五回に死球を受けたが、ベンチには引き下がれない。与えられた場所でチャンスを生かす。確固たる思いを胸に中谷がグラウンドに立ち続ける。

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