鳥谷 2000安打へあと「52」も…今季最多観客の前で巨人に連敗

 「阪神1-8巨人」(8日、甲子園球場)

 今季最多4万6791人が詰め掛けた甲子園で、阪神が完敗を喫した。連敗で首位広島とは9ゲーム差。3位DeNAには1ゲーム差に迫られた。敗戦の中、鳥谷敬内野手(36)がマルチ安打と気を吐き、通算2000安打にあと52。また、三回の四球で歴代単独17位の通算965四球となり、長嶋茂雄(巨人)の969にあと4とした。

 ほんの少しでも光があれば、信じて前に進むことができる。2本の快音、冷静にボール球を見極める眼力。虎には、開幕から打線を鼓舞し続ける鳥谷がいる。節目の2000本安打まで残り「52」。金字塔へひた走る“虎の顔”が今、チームを懸命に支えている。

 3点を先制された直後の初回。先発・内海の内角直球を振り抜き、詰まりながらも左前へ落とした。三進した後、福留の二ゴロの間にホームへ生還。八回無死一塁では4番手・西村から右前打を放ち、2試合ぶりのマルチ安打を記録。だが、勝ちをもぎ取れない。屈辱の惨敗に沈むチームを背負い、厳しい表情のまま言葉を紡いだ。

 「点を取りたいところなので、明日(9日)は点を取れるように頑張ります」

 三回1死ではボール球にびくともせず、平然と一塁まで歩いた。プロ14年間で積み上げてきた965四球は大島康徳(日本ハム)を抜き、歴代単独17位。長嶋茂雄の969四球まで、あと「4」とした。自身の役割をしっかり理解し、愚直に遂行する。鳥谷の姿勢が打線全体に浸透すれば、活路は見えてくる。

 G投手陣の前に6安打で1得点。先発の内海に抑え込まれ、リズムに乗れないままゲームセットを迎えてしまった。金本監督も悩める胸中を口にする。

 「打開策があればいいんだろうけど。トリを1番にしたり、大山を入れたりしているんだけど。それで全てうまくいくかといったら、なかなかそうはいかない」

 首位・広島とのゲーム差は「9」。一方、3位・DeNAは1ゲーム差と肉薄してきた。それでも新外国人・ロジャースの加入、左アキレス腱断裂からの復活を目指す西岡と救世主となり得る存在はいる。今が正念場。真夏を目前に、勝負の火を消してはいけない。

 「気合を入れろ、タイガース!」

 試合中盤から、聖地には虎党の叫びが響き始めた。背中を押してくれるファンのためにも、意地を見せたい。梅雨空を吹き飛ばすような快勝を届けたい。

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