高山、一掃打! 3点適時三塁打で猛虎史上最大の逆転呼んだ
「阪神12-9広島」(6日、甲子園球場)
歴史的大勝利の立役者の中に、悩めるリードオフマンがいた。がむしゃらに振り抜いた打球が右翼線へ運ばれた。そして三塁ベース上で大きく手を叩いた。「よかったですね」。言葉少なに振り返る阪神・高山。クールに大仕事をやってのけた。
聖地のボルテージは最高潮。六回、一時9点あった点差が4点にまで迫る。そして味方に勇気を与える、価値ある一打を浴びせた。2死満塁で走者一掃の適時三塁打。全員が作った流れそのままに、甘い変化球を捉えた。
「点差はついていたけど、いつも通りで。あそこで長打を出せたのはよかった」。これで1点差。追い上げムードで大歓声だった声援はさらにヒートアップ。「イケる!」-。誰もがそんな空気を感じた一打になった。
八回先頭の打席でも二塁内野安打を放ち、マルチ安打をマーク。打率は・263に上昇。左投手に対して苦しむなどスタメンから外れることもあったが、片岡打撃コーチは「高山もいいところで打った」と評価。続けて「こういう試合に勝てた。自信を持って、あしたに臨んでほしい」と飛躍を期待した。
連日の厳しい内角攻めで、体勢を崩されることもある。打席では「あんまり意味はないけど」と明かさないが、ホームベースの内角にバットをポンッと置く。目付けをして構えるルーティンを追加したのだ。春季キャンプからインサイドアウトのスイングを、徹底的に体に染み込ませてきた昨季セ・リーグ新人王。2年目の試練を打ち破ろうと、もがき苦しんでいる。
長い野球人生に調子の波はあるが、金本監督も「彼も悩んでるけど、乗り越えてくれると思っている」と信じている。「あしたも頑張ります」と高山。カギを握る虎のリードオフマンが“復活”を期す。
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