糸原、正真正銘の同点打 「アウト」に覆ったリプレー検証後に会心の一打

 「阪神12-9広島」(6日、甲子園球場)

 長い長いリプレー検証。観客席がざわつき、ヤジも飛び交う。次打者の阪神・糸原はじっと待ち続けた。同点かと思われた江越の本塁突入「セーフ」は「アウト」に覆った。大きなため息が聖地を覆う中、ベンチから出てきた片岡打撃コーチが糸原に声をかけた。

 「集中だけは切らすなよ」

 1点を追う七回、2死一、二塁。同点を幻に終わらせるわけにはいかない。「守備の方で迷惑をかけていた」という責任感をバットに乗せた。薮田の152キロを右前へはじき返す同点打。ついに9点差を追いついた。ミスを取り返す会心の一振りだった。

 中盤までは一方的な展開に持ち込まれていた。大敗ムードが漂っていた五回。右翼・中谷からの返球を二塁・糸原が捕球できず適時失策となった。少し高く浮いた返球ではあったが「あれは自分のミスです」と反省。それだけに「(七回の)あの場面でミスを取り返す気持ちはありました」という打席で、ベンチ、そして一度は沈み込んだ虎党の期待にきっちり応えた。

 試合後にはプロ入り初のお立ち台へ。「最高の景色です」。華やかな脚光を浴びながらも、ミスの怖さをかみしめた一日。ロッカールームへ戻る糸原は、最後まで笑みを見せることはなかった。

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