大和がスイッチ挑戦 出番増へ、究極のユーティリティー選手目指す

 金本監督が見守る中、左打席で打撃練習する大和(撮影・山口登)
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 「阪神秋季練習」(18日、甲子園球場)

 阪神・大和外野手(28)がスイッチヒッターに挑戦中であることが、明らかになった。甲子園で行われた秋季練習で左打ちを初めて公開し、鋭い打球を連発した。内外野ともにハイレベルな守備力を誇る名手が、さらなる出場機会を求めて真剣に両打ちにチャレンジする。

 三十路を前に大和が大きな決断を下した。「何でチャンスが起こるか分からないし、そういう部分ではいいのかなと思います」。現状に満足できない思いから、異例の12年目に向けてのスイッチ挑戦に踏み切った。

 左打ちはランチ休憩を挟んだ特打で初公開。最初のマシン打撃は右打席だったが、その後は右打者用ヘルメットを被ったまま左打席に入った。片岡打撃コーチが投じる球を右へ、左へと打ち返した。

 スイッチ転向の発案者でもある片岡打撃コーチは「彼の場合は右投手のアウトコース、スライダー系がずっと課題。とにかく試合に出られるチャンスが増える」と説明。シーズン終盤から室内で秘密練習に取り組んでいたが、初めて屋外でのお披露目に至った。

 器用な大和らしく、左でもスムーズなスイングで快音を連発。約70スイング中、外野の間を破る鋭い打球も見られた。「空振りしなくてよかった」と話す一方で「まあ、悪くはないと思います」と手応えも口にした。

 金本監督は「スイングの強さとか速さはまだないけど、恵一(平野打撃コーチ)あたりがしっかりと教え込んでいったら、もしかしたら」と新たな可能性に懸ける。「足が遅かったらスイッチにチャレンジさせない」と大和の特性を生かす挑戦でもある。

 中学時代に左打ちに挑戦した時期があったが1カ月で断念。プロ入り後も「全く考えなかった」と明かす。3年ぶりに出場120試合を割ったこともあり、今回の片岡コーチからの打診に迷いはなかった。中堅クラスになってからの挑戦も「そこは気にしていない」と特別な意識はない。

 目的はただ一つ。出場のチャンスが広がる点に「それだけですね」と即答。内外野の守備に加え、両打ちをマスターした究極のユーティリティープレーヤーとして出番増を狙う。そのためにもこの秋とオフは一心不乱にバットを振り込む覚悟だ。

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