藤浪、逆転CSへあるぞプロ初の中4日 4年連続2桁勝利にフル回転

 阪神・藤浪晋太郎投手(22)がフル回転で逆転CSへ導く。29日、甲子園室内練習場で行われた投手練習にランディ・メッセンジャー投手(35)らとともに参加。香田投手コーチは高卒1年目からの4年連続2桁勝利がかかる藤浪と、最多勝、最多奪三振のタイトル獲得の可能性があるメッセンジャーの起用法に言及し、全面バックアップを約束した上で、中4日起用を示唆した。

 夏の終わりを迎え、ようやく歯車がかみ合い始めてきた。8月は2勝2敗ながら、防御率1・67。「自分の感覚と結果が合ってくると自信になる。気分的に悪くない」。逆転CSへ、キーマンはやはり若きエースだろう。4年連続2桁勝利の記録もかかる。現在6勝で残り21試合。藤浪はフル回転を辞さない覚悟だ。

 「ローテは基本的に任された日に投げる。投げられるなら投げたいですけど、任されたところで、投げられたらいいと思います」

 チームは23日から3位DeNAに3連勝。一気に0・5差まで迫ったが、26日からの甲子園でヤクルトに3タテを食らい5位に転落した。CSへの道のりは険しいが、「あまり深く考えず、チームが勝てるようにできることをしっかりやりたい」と目の前の30日・中日戦先発に視線を向ける。

 CS進出という目標と同時に、投手の勲章も追いかける。香田投手コーチは個人記録について、最大限配慮する方針を示した。藤浪が高卒1年目から4年連続2桁勝利を達成すれば、江夏豊以来46年ぶり。同じ高卒入団の松坂、ダルビッシュ、田中、前田さえも成し得なかった快挙だ。

 現在11勝のメッセンジャーも初の最多勝、2年ぶり3度目となる最多奪三振のタイトル獲得の可能性がある。1年間、ローテを支えてくれた2人へ、香田コーチも全面バックアップを約束する。

 「2人はよくやってくれているからね。(広島の)ジョンソン、野村が足踏みしているようだしね。(メッセンジャーは)個人タイトルの可能性はあるわけだから。(藤浪も)励みにしてほしいね」

 タフな2人は登板間隔を詰めることも可能だ。香田コーチは「詰められる人は詰めていきたい」と、中4~5日での起用を示唆した。藤浪にとってプロ初となるが、登板数は増え、偉業達成の可能性も広がる。日頃から「短い間隔で投げる方が好き」と話す助っ人も歓迎する。

 「ヤクルト3連戦は残念だったけど、それ以前の戦いができれば3位は達成できる。3位に入れば、日本シリーズに出られる可能性もある。短い間隔で投げても、チームが勝つことが大事で、チームにとって、できることをやっていきたい」

 CSとタイトルのW獲りへ、メッセンジャーは31日・中日戦に先発予定。剛腕が、フル回転で崖っぷちに立たされたチームを救う。

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