阪神ドラフト戦略本格化 鳥谷後継者を坂井オーナーに報告

 阪神スカウト陣が近日中に今秋ドラフトに向けた新戦力リストを坂井信也オーナー(68)に報告することが25日、明らかになった。リストアップされた選手一覧には「鳥谷の後継者」として期待される逸材も含まれており、その近況が詳細に報告される。ペナント争いが極めて厳しくなった今、フロントはあらゆる可能性を想定し、金本阪神2年目に向けた戦力の補強を見据える。

 金本監督が甲子園の室内練習場で高山らを指導していたこの日昼過ぎ、四藤社長、高野本部長ら球団幹部が一堂に会し、球場併設の球団事務所で首脳会議を行っていた。きょう26日に行われる定例のオーナー報告会に向け、多角的に議論がかわされたようだ。

 首位広島とのゲーム差は17・5まで開いてしまった。ペナントレースは93試合を終え、残りはちょうど50試合。ひとつでも上を目指し、ファイティングポーズをとり続ける姿勢に変わりはないが、現場をバックアップするフロントは現実を見据える時期にきている。

 26日の報告会とは別に、今週、坂井オーナーへ「もう一つの報告」が行われることが分かった。高野球団本部長、スカウト責任者らが大阪・野田の電鉄本社を訪れ、今年度のドラフト会議に向けたリストを提示。総帥に「金の卵」たちの現状を伝える。

 7月段階でドラフト1位の方向性を完全に固めることはない。それでも、球団首脳によれば今秋の構想は「先発投手か、遊撃を守れる内野手」に照準を定める可能性が高まっているという。12年から連続フルイニング出場を667試合続けた不動の遊撃手・鳥谷が24日にスタメンを外れた。チーム内外に衝撃が走ったが、球団がマークする高校・大学、社会人100選手以上のリストの中にはもちろん、鳥谷の後継者になり得る逸材も含まれている。

 阪神が注目する日大・京田陽太内野手(4年・青森山田)、中京学院大・吉川尚輝内野手(4年・中京)はともに他球団との競合が必至で、将来を嘱望される遊撃手。鳥谷の復調が最も望まれると同時に、即戦力の獲得による相乗効果への期待も、ドラフト戦略の判断材料になるはずだ。両者の名は既に坂井オーナーの知るところではあるようだが、スカウト陣から詳細に両選手の「現在地」が報告されれば、青写真がより鮮明になるかもしれない。

 北條や陽川、植田ら金本監督が飛躍を期待する内野手が鳥谷の後継者としてしのぎを削るが、近い将来、絶対的な存在になりうるかどうかは不透明。そういう意味でも、球団のトップが希代の大型内野手に強い関心を持っていることは間違いない。

 今後もチーム内の戦力図は変動する。フロントはあらゆる事態を想定し、金本阪神2年目に向けた戦力の見極めを抜かりなく進めていく。

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